以前に長期記憶(記憶定着)には昼寝+ご褒美が良いよ~ってことを書いたと思いますが、今回は昼寝について軽くまとめておこうと思います。



昼寝の効果

昼寝をすると良いのが広まりつつある昨今。では昼寝の何がそこまでいいのか…。まずはここから書いてみたいと思います。
昼寝をすると、


などなど良い効果が盛り沢山。
ね、結構良い効果があって侮れない感じですよね…?



昼寝は何分すればいいのか…?

昼寝が良いのは分かった…。では、何分寝ればいいの…?ってことを皆さん疑問に思ったかと思います。
んで、結論から申しますと、得たい効果によって昼寝の時間が違うってことになっております。昼寝の時間と得たい効果については下記のとおりとなっております。

  • 6分→長期記憶が改善する・気分転換になる
  • 10分〜20分→注意力が上がる・眠気が改善する
  • 30分→血圧が正常になる・肥満の予防になる
  • 60分→記憶の定着率が上がる
  • 90分→クリエイティブ性が上がる

と、こんな感じ。
また、一説によると、昼寝は20分以内がベスト(20分を越えたらダメ)で、実際、寝なくてもOKって話もあるんで20分間昼寝をするor目を閉じているってのが現実的に都合がつきそうな時間で効果も良い感じで得られそうですね~。



おすすめはコーヒーナップ…!

コーヒーナップとはコーヒーを飲んですぐに昼寝をする方法の事を言います。カフェインは通常、睡眠を妨げますが、昼寝の直前にカフェインを飲んで少しだけ寝ることによって睡眠とカフェインの両方の良いとこ取りができて、脳に良い影響をもたらすんですよね。
人間は頭を使うとアデノシンという疲労物質が出るんですが、これをカフェインがブロックしてくれるんですよ。そのため、疲れを感じづらくなります。そして、睡眠はアデノシンを取り除く作用があります
つまり、昼寝でアデノシンを減らしつつ、カフェインでアデノシンをブロックするというダブルの効果で疲れをとるのがコーヒーナップってことになりますね。



コーヒーナップのやり方とコツ

ではカフェインと睡眠と言う両者の特徴を上手く使えるコーヒーナップは具体的にどのようにやればいいのでしょうか…?
2015年の記事を参考に説明したいと思います。

  1. コーヒーを素早く飲む:コーヒーを素早く飲まないとカフェインの効果が出てくるのが遅くなってしまいます。そのため、なるべく一度に飲むようにすると良いみたいです。因みに猫舌でホットコーヒーが飲めない…!って方はアイスコーヒーやエスプレッソがおすすめとのこと。
  2. コーヒーを飲んだらすぐ昼寝スタート:コーヒーの効果が発動までの時間に睡眠をとるってのがコーヒーナップのポイントなんですぐ昼寝を開始するのが良いみたいです。
  3. 熟睡できなくてもOK:焦って無理に寝ようとしなくてもうたた寝ぐらいで効果は出るそうです。
  4. 20分後に必ず起きる:カフェインが脳に到着するのに10分から20分程かかります。また、20分以上眠ると深い睡眠に入ってしまいます。この両方がバッティングするのが20分なので必ず起きましょう。

これで脳内のアデノシンを減らしてブロック出来るんで、頭の疲れが取れてスッキリ午後からも活動できます。



コーヒーナップの効果

コーヒーナップの効果について、1996年のラフバラー大学の研究によると、参加者10人に高速道路のような単調な道のりを1時間、運転してもらい、途中30分の休憩を挟んだそうです。この時、普通に休憩する人、コーヒーナップを試す人などランダムに振り分けたとのこと。
結果、休憩中、コーヒーナップを行った参加者の熟睡度は様々だったそうですが、眠気が大幅に減少したそうです。因みに普通に休憩しても効果がなかったそうなんで、やはり、コーヒーナップは良さそうな感じですね。因みにこの実験ではカフェインを150mg摂取して15分未満の昼寝をしたそうです。

更にこのラフバラー大学は1997年にも似たような研究をしておりまして、今度は12人の参加者を対象に上記の研究より、より長い時間である2時間、単調な道のりを運転してもらい、間に30分の休憩を挟んだそうです。今回はカフェインを200mg摂取してもらい昼寝をしてもらったとのこと。
結果、普通に休憩した人よりもコーヒーナップをした人の方が主観的な眠気が消え、更に脳波測定でも眠気が大幅に減少していたそうです。

実は日本でもコーヒーナップの研究は行われておりまして、例えば2003年の広島大学の研究によると、健康な若者10人を対象に実験を行ったそうです。どのような物だったかと言うと、まず、初めに15分間、パソコンで記憶テストを行い、その後、5つのグループに分かれて休憩を取ったとのことです。

  1. 昼寝のみグループ:20分間、昼寝をした
  2. コーヒーナップグループ:カフェイン200mgを摂取し、昼寝をした
  3. 昼寝+ブルーライトグループ:昼寝をした直後に2000ルクスの強い光を1分間浴びた
  4. 昼寝+洗顔グループ:昼寝をした直後に顔を洗った
  5. 普通に休憩グループ:昼寝なしで休憩した

こう見ると、どれも眠気を覚ますのに良く使う方法ですよね。最後に1時間、またパソコンで記憶テストを行ったそうです。
結果、コーヒーナップグループは他のどのグループよりも主観的な眠気が減って疲れを感じず、また実際のパフォーマンスも最も良かったそうです。
因みにパフォーマンスは落ちたけど疲れのとれ具合でいえば、昼寝+ブルーライトグループは同等の効果があったとのこと。更に昼寝+洗顔グループは洗った直後だけ主観的な眠気に効果があったそうです。


最後にコーヒーナップは徹夜後にも効果がありって研究をご紹介しておきます。
1994年のライト州立大学の研究によると、男性の若者24人を対象に認知テストを行ったそうです。その後、24時間、一切睡眠をとらないでもらったそうな。なかなか大変ですね~。
んで、2グループに分けて短い昼寝を取ってもらったとのこと。

  1. 昼寝のみグループ
  2. コーヒーナップグループ

最後にもう一度認知テストを行ったそうです。
結果、

  1. 昼寝のみグループ:最初の認知テストの結果より、かなり悪い成績になった…。
  2. コーヒーナップグループ:最初の認知テストの結果とほぼ同じ成績が出た…!

もちろん小規模の実験ですが、どうやら、コーヒーナップは徹夜明けのパフォーマンス低下にも一定の効果がありそうな感じです。仕方なく睡眠不足になってしまったときには、コーヒーナップを使うと良いかもしれませんね。



個人的考察

もし、午前中に眠たいときなんかは、20分間のコーヒーナップをお試しください。結構、良い感じで午後を迎えられますよ~。因みにカフェインの含有量はお茶に比べ圧倒的にコーヒーが多いんでぜひコーヒーで試して頂けたらと思います。
その他、コーヒーの効果については下記をご覧ください。




参考文献