当ブログでは、根拠のある自信を持とう…!自信がない場合はそれを受け入れてリフレーミングして使おう…!ってことをおすすめしております。
今回は今までまとめるのが面倒で行っていなかった自信の高さと様々な関係性について書いておきます。



自信と能力・自信と成功

WILL POWER 意志力の科学」で有名なロイ・バウマイスター博士の2003年の研究によると、自信と能力の高さ、自信と成功はほとんど関連がなかったそうです。具体的には、自信と能力の相関関係は0.30しかなかったとのこと。
また、この研究では自信とその他も調べておりまして、自信が高くても、

  • 学校の成績
  • 仕事のパフォーマンス
  • リーダーシップ
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 違法ドラッグ
  • 乱れた性行為

など、全てにおいて意味がなかった
そうです。むしろ、悪影響すら有り得る…!って結果だったとのことで、世間で言われるほど、自信がある人=できる人=成功者の公式は成り立たないみたいですね~。



自信と能力の関係

ロンドン大学のトマス・チャモロ-プリミュージク教授の名著「自信がない人は一流になれる」によると、自信と能力の関係は大きく4つのタイプに分類できるとのこと。

  1. 能力がなくて自信もないタイプ
  2. 能力がなくて自信があるタイプ
  3. 能力があって自信がないタイプ
  4. 能力があって自信もあるタイプ

そんでもって、それぞれのタイプについては以下の通り。


1. 能力がなくて自信もないタイプ

このタイプは自分の能力のなさに気づいていて、そのため自信も持てないという感じです。現実的な視点を持てているが故に自尊心のない人ともいえます。
このタイプは自分のウィークポイントや限界を知っているのも特徴とのこと。チャモロ教授曰く、統計的にみても実際に現実もその通りである傾向が高い(主観と客観が一致している)らしい。以下で紹介する「2. 能力がなくて自信があるタイプ」より現実的な目線があるのでまだマシとのこと。


2. 能力がなくて自信があるタイプ

一番なりたくないタイプ(笑)。能力がないのに自分は能力がある…!と思い込んでおり、そのため根拠のない自信を持てるという、ある意味、私みたいなタイプからすれば羨ましいタイプでもある。実際、なぜこのように思えるのかですが、チャモロ教授曰く、他人から自分がどう見られているか正確に把握できないためとのこと。
更に、短期的には周囲に能力があると誤認させてしまうので事態を悪化させる傾向が強いらしい。そのためトラブル悪化にも一役買ってしまうみたい。
更に更に、根拠のない自信があるせいで努力せず、いつまで経っても成長しない(能力がアップしない)ため、結果、うつ状態に陥る傾向も多いんだとか。以前に紹介した上から目線でお願いする人の心理状態と似たものがありますね~。


3. 能力があって自信がないタイプ

根拠のある自信を持てる要素があり、周囲もそれを認めているのになぜか自信がないタイプのこと。いわゆる超成功者や一流アスリート、有名芸術家に多いタイプだったりする。理由については、常に現状に自信がない=満足できない性質が働き、それが糧となって更なる成功のモチベーションアップに繋がっているから。まさにリフレーミングですね~。
注意すべきポイントは完璧主義と自己批判らしいので、覚えておくと良い感じ。


4. 能力があって自信もあるタイプ

能力があって、そんでもって自信もあるという最強のタイプ。このタイプになったものは、真の自信を楽しむことができるらしい…。また、このタイプまで来たものは自分にうぬぼれて努力を怠らなければいいらしく、まさに最強タイプといえる。自分にとっては桃源郷。



自信の高さとナルシスト

2011年のカリフォルニア大学デービス校の研究によると、自信の高さがナルシシズムに結びついていたんだそうな。まぁ、これは想像通りと言いますか、納得の結果ですね~。



他人を誤解させた挙句、うつ状態になってしまう…!

2014年のニューカッスル大学の研究によると、ロンドン大学とクイーン・メアリー大学の2つの大学で実験を行ったそうです。どのような実験だったかと言うと、まず、大学生は毎週小グループで資料の確認や討論なんかをしたそうな。その後、一学期の最後に各グループの各仲間のパフォーマンス、成績なんかについて、個人的に予測してもらったらしい。この予測は他の大学生だけではなく、自己評価も合わせて行ってもらったそうです。更にこの研究の全ての課題は二重盲検で行ったとのことでした。
これらを行い、研究者は何を見たかと言うと、根拠のない自信を持っている、つまり自己欺瞞(自信過剰)な人の評価や成績って実際どんな感じなのか…?ってのを調べたみたい。
では早速結論を見ていきましょう…!
根拠のない自信を持っていた人は、

  • 平均よりも下の仕事しかできないことが多かった…!
  • それなのに社会的には上の地位につく確率が高かった…!
  • 客観的なテストをすると能力は低かった…!
  • でも、とにかく他人を誤解させる能力は高かった…!

ってことで、仕事はできないし、それはテストでも証明できるけど、他人には自信があって能力がありそう…!と誤解させることはうまいんで、結果、リーダーとかになりやすいって感じですね。うわーって感じですね(笑)
因みにこの根拠なき自信を持つ人たちが集まったグループは、

  • 全体的に成績が悪かった…!
  • それなのに他のクラスの大学生からは能力が高そう…!と評価された…!

ってことで、根拠のない自信さえあれば他人なんて簡単に騙せちゃうみたいです。
ということは、能力のある人は報われない…!やっぱ根拠のない自信を持っている方が良いんじゃん…!って思いたくなるところですが、ちょっとお待ちください…!
実は、この話には続きがありまして、短期的には良くても中長期的にはかな~りのしっぺ返しを喰らうことになるんですよ。
というのも、実際の能力は先ほど言った通り、低いんで、いずれ化けの皮が剥がれてしまうんですよね。その時、周囲は能力のある人と誤解している為、失望感の落差が激しく、結果、周囲の期待を大きく裏切ることになります。でも、能力は低いんでどうすることもできません。そして最後にはうつ状態に陥ってしまうみたいです。
実際、この研究でも、仕事ができないせいでうつ状態になってしまうケースが多かったとのことです。この当たりはナルシストは採用面接に受かりやすいけど実際能力が高いわけじゃないって話に通ずるところがありますよね。



更に泥沼にハマっていく恐怖…!

っと、ここで、終わるとまだ良いんですが、当ブログをお読みの方であれば、ここから泥沼にハマっていくな~って想像できるのではないでしょうか…?
いくつかご紹介すると、


って感じで、なかなか抜け出せなくなるんですよね~。この深みに足を取られた場合の解決策はやはり、自己受容が大事でして、弱さを認めて自己開示をしつつ、自分に優しく接していくのがよろしいかと思います。
つまり、


が有効かと…。



根拠のない自信でテストの成績は上がるのか…?

意志力研究でおなじみのフロリダ州立大学ロイ・バウマイスター博士の2007年の研究によると、根拠のない自信でテストの成績は上がるのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは心理学部で大規模なテストを実施、そこでテストの正解率が80%未満だったC、D、Fランクの学生に協力をお願いしたそうな(因みにこの時の呼びかけは、実験に協力してくれたら一部単位をあげるよ~というものだったらしい)
C、D、Fランクの学生は全部で305人いたそうで、そのうちの141人に声掛けし、90人(男性21人、女性68人)が参加の意思を表明、残りの51人は返事がなかったとのこと。この90人のうちCランクの学生が45人、D又はFランクの学生が45人で、実験中に4人が退学、最終的には86人が完走しきったらしい。つまりサンプル数86名の実験ってことですね。
この参加者を以下の3グループにランダムに振り分けたそうです。

  1. 対照群:何もしない。
  2. 事務連絡グループ:テストの日時や範囲などの事務連絡のみのメールを受け取る。
  3. 自信強化グループ:根拠のない自信が持てるようなメールを受け取る。

自信強化グループの根拠のない自信が持てるようなメールってのは以下のような感じだったらしい。

  • テストで悪い点数を取ると自信を失う。自分にはできない…とか、私には価値があまりないんだ…とか、他の大学生みたいに自分は頭が良くない…などという。
  • しかし、自信がある学生は良い成績を取っている。彼らは自信を持っているのだ。
  • 皆、頭を上げて自信を高めよう…!

…。
なんかやっすい自己啓発本とかポジティブ満載のあやしいセミナーにありそうな文言(笑)
学生には毎週上記のようなメールが届いたそうで、期間は6週間だったそうです。因みに最後のメールが届いたのがテスト1週間前のことだったとのこと。
最後にクラス全体の最終テストを受けてもらって成績を比べて実験終了ということでした。
んで、結果がどうなっていたかと言いますと、

  • クラス全体の平均点は255点だった(テストの正解率は69.0%だった)
  • 性別による点数の違いはなかった。
  • 自信強化グループは、事務連絡グループよりも点数が悪かった…。
  • 自信強化グループのD、Fランクの学生は、中間テストの正解率が57%だったのに、最終テストの正解率は38%まで大幅に落ちていた…。

とのこと。
自信がなくなっている学生よりも、根拠のない自信を持った学生の方がテストの点数が悪かったみたいですね。しかも根拠のない自信によって、元々の自分よりも更に点数が悪くなっているってのは悲惨ですね…。

ではなぜこういった現象が起こるのか…?ですが、研究者たちはこのように推測しておられます。

  • 根拠のない自信を持つと努力することをやめてしまい、結果、必要最小限の努力しかしなくなる。
  • 結果、勉強などに悪影響を及ぼし、最終テストでパフォーマンスの低下につながった。
  • 根拠のない自信や根拠のないポジティブシンキングのような非現実的な楽観主義の感情は、ただの自己満足につながる可能性がある。

確かに、今回のテストの結果はヤバい…!ってなると次までに必死に努力して、何とかいい点数を取らないと…!ってなるけど、根拠のない自信や根拠のないポジティブシンキングがあると、まぁ、自分なら大丈夫っしょ…!って変な感じになっちゃって、結果、もっと悲惨な点数になるってのは分かりますな。
やっぱ根拠のある自信やネガティブシンキングを活かした方が良さそうですね~。

因みにこの研究に載っていた過去の調査によれば、学生はテストの点数が悪いと外的要因のせいにすることが多いらしいです。
外的要因ってのは例えば、

  • テストが難しすぎたから点数が悪かったんだ…!
  • 教授がちゃんと説明していないから悪いんだ…!

みたいな感じですね。
この辺って万国共通なんですね(笑)



根拠のない自信がある人は最初は有能だと思われるけど最後は無能だとばれる…!そしてナルシストレベルが高いだけ…!

1998年のブリティッシュコロンビア大学の研究によると、根拠のない自信がある人とそうでない人を対象に、2つの縦断研究を行ってみたそうです。
実験の内容はこんな感じ。

  1. 参加者を4~6人のグループに分ける。
  2. それぞれ20分間のグループディスカッションを行ってもらう。
  3. 週1でグループディスカッションを続けてもらう。
  4. グループディスカッションを全部で7回繰り返してもらう。

よって実験期間は7週間となっております。
また、1回目(最初)のグループディスカッションの時と7回目(最後)のグループディスカッションの時に、グループメンバーそれぞれの評価をしてもらったそうです。
結果は、

  • 1回目(最初)のグループディスカッションでは、根拠のない自信がある人は周囲から肯定的な印象を持たれていた。つまり、有能であると思われていた…!
  • しかし、7回目(最後)のグループディスカッションでは、根拠のない自信がある人は周囲から否定的な印象を持たれていた。つまり、無能であると思われていた…!
  • にも関わらず、根拠のない自信がある人は周囲の人から有能だと思われていると思っていた。つまり、ナルシストレベルが高かった…!

とのこと。
根拠のない自信がある人は最初は有能だと思われるけど、最後は皆気づいて無能だとばれちゃうみたいですね。この辺は以前に紹介したナルシストは面接に受かりやすいけど能力は関係なく職場の雰囲気を壊す…!って話と同じですな。
しかも本人はそれに気づけず周りから有能だと思われ続けていると勘違いしたままみたい。これは恥ずかしい…。結局、張りぼての自信ではすぐばれちゃうってことですね。しかも、根拠のない自信はナルシストと関係があるとのこと。確かに上記を読んでいるとこれはなんだか納得できますね。



不安・緊張と同じで自信がないのは悪い事じゃない…!

上記の研究からも分かる通り、不安や緊張と同じで自信がないのは悪いもんじゃありません。
例えば、どうでも良い事でいちいち不安や緊張を感じたり、自信がないと思いませんよね…?
不安や緊張を感じたり、自信がないと思う時ってのは、自分が本当に一生懸命努力したからこそ絶対失敗したくない…!って思いが強いときなんですよ。だからこそ、不安や緊張、自信がなくなってしまうんです。つまり、不安・緊張・自信がないのと真剣さ・努力ってのは比例の関係にあると言えるんですな。
裏を返すと、不安・緊張・自信がなくなってしまう時ってのは、本当に自分が努力してきた時であり、根拠のある自信をもって良い時でもあります。
なんで私なんかは、

  • 不安・緊張・自信がなくなってしまうのは、それだけ努力した証拠だから良い感じだぞ…!

って思うようにしていますね。
因みにこの考え方(対策)は、2013年のハーバードビジネススクールの研究でも効果的な方法として挙げられているんでエビデンスもばっちり。おすすめですよー。



有能な人・成功者に自信がある人が多いのはなぜか…?

でも有能な人って自信がある人が多いよね~ってのは皆さん思うんじゃないでしょうか…?
この矛盾については「自信がない人は一流になれる」で有名なロンドン大学のトマス・チャモロ-プリミュージク教授が回答しております。
教授によれば、

  • 有能で成功した人が自信を持っているのは、超有能だったから…!

とのこと。
どういうことかというと、高い自信を持つことが大事なのではなく、高い能力を持つことが大事ってことですね。
つまり、有能な人=自信があるのは、

  1. 自信のあるなしは関係なく、高い能力を持っている、身に付ける
  2. その高い能力から成功する、周囲が有能だと思う
  3. 結果、自信が持てるようになる…!

ってステップを踏んでいるからであって、決して

  1. 根拠がなくても自信を持つ…!
  2. 結果、高い能力や周囲が有能だとずっと思ってくれる…!

とはならんということですな。
分かりやすく言うと、自信→有能ではなくて、有能→自信ということです。根拠のない自信を持つ人はこの辺を勘違いしてしまうってことですね。そのため、本当の意味の自信をつけるには近道などなくて、少しでも根拠のある自信が持てるように日々努力していくしかない感じ。
言われてみりゃ超当たり前ですが、だからこそしっかり押さえておきたいポイントとなっております。やっぱ、基礎基本は大事ですね~。



個人的考察

あと、注意事項として、自信をあえて持たないようにしようとするのもおかしな話です。自信を持つことのメリットも確認されておりますので…。
やはりポイントなのは過大評価も過小評価もせず、ありのままの自分の自信、つまり、根拠のある自信を持つことが大事ということになりますね。
つまり、まとめると、私のような凡人は根拠のない自信を避けて、地道に根拠のある自信を持てるよう努力するか、自信のなさをリフレーミングして活かすのが次善の策ではないでしょうか…?



参考文献