今回は、超加工食品で健康リスクは増えるのか…?について見ていきます。



超加工食品の摂取で呼吸器疾患の死亡リスクがアップする…!

2024年のアデレード大学前向きコホート研究によると、超加工食品の摂取と呼吸器疾患の死亡リスクについて調べてみたそうです。
具体的には、

  • 慢性呼吸器疾患(CRD)による死亡リスク
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡リスク
  • 肺がんによる死亡リスク

についてチェックしてみたんだとか。
この研究はPLCOっていうデータセットを使ったもので、PLCOは1993年11月から2001年9月の間に参加した55~74歳のアメリカ人154,887人を対象にしたと言うものになっております。んでPLCOから使えそうなデータをピックアップしていったそうで、最終的なサンプル数は96,607人となっておりました。
このデータを統計処理したそうです。
ということで、まずは参加者の特徴をチェックしておきましょう。

  • 96,607人中50,803人(53%)が女性だった。
  • 平均年齢は65.6歳だった。
  • 1日の食事全体に占める超加工食品の割合は31.2%だった。
  • 5グループに分けると、一番少ないグループの割合は13.4%、一番多いグループの割合は52.7%だった。
  • 超加工食品を一番食べていたグループは一番食べていなかったグループに比べて、カロリー摂取量が多い、運動量が少ない、社会的・経済的地位が低い、健康的な食事が少ない、炭水化物・脂肪・飽和脂肪・コレステロール・トランス脂肪酸の摂取量が多かった。
  • 超加工食品を一番食べていたグループは一番食べていなかったグループに比べて、クッキー、パイ、デザート、加工肉、ソーセージ、ソフトドリンク、ポテトを使ったお菓子、塩のきいたスナック菓子をめっちゃ食べていた。

超加工食品メインの食生活をしている方の特徴は、でしょうね~って感じですね。
では本題である超加工食品の摂取と呼吸器疾患の死亡リスクの結果を見てみましょう。

  • 中央値16.8年の追跡期間中に死亡した方は28,700人で、そのうち慢性呼吸器疾患で4,092人、慢性閉塞性肺疾患で1,536人、肺がんで2015人が亡くなっていた。
  • 超加工食品の摂取量が多いと慢性呼吸器疾患で死亡するリスクが10%(HR1.10)もアップしていた…!
  • 超加工食品の摂取量が多いと、慢性閉塞性肺疾患で死亡するリスクが26%(HR1.26)もアップしていた…!
  • 超加工食品の摂取量が多いことと、肺がんで死亡するリスクは関係なかった(HR0.97)

どうやら超加工食品の摂取は、慢性呼吸器疾患と慢性閉塞性肺疾患の死亡リスクを高めるみたいですね。
またこの研究では用量反応関係(どれぐらい食べるとどれぐらいリスクがアップするのか)もチェックしてくれておりまして、食事全体に占める超加工食品の割合が5%増加すると、

  • 全死亡リスクが9%(HR1.09)アップした…!
  • 慢性呼吸器疾患の死亡リスクが12%(HR1.12)アップした…!
  • 慢性閉塞性肺疾患の死亡リスクが17%(HR1.17)アップした…!
  • 肺がんの死亡リスクが8%(HR 1.08)アップした…!

とのこと。
わずか5%で死亡リスクがこれだけアップするのはすごいですね。



個人的考察

超加工食品を完全になくすのは不可能ですが、少しでも減らす努力はしておきたいところです。



参考文献