今回は豆腐が健康に良いのか調べた滋賀医科大学の研究を見てみます。



豆腐は健康に良いのか…?

2016年の滋賀医科大学前向きコホート研究によると、豆腐と脳卒中の関係について調べてみたそうです。
そもそも日本では昔から豆腐が食べられておりますが、これが脳卒中リスクをどう関係しているのかイマイチよく分かっていなかったそうな。そこで今回、日本人の男女を対象にチェックしてみることにしたらしい。
この研究は1980年に国民健康・栄養調査に登録された日本人男女9,244人を対象にしておりまして、24年間という長期にわたって追跡調査をしたと言うもの。参加者はスタート時、心血管疾患(CVD)がない方たちでして、食事内容については3日間の食事アンケートから推測してみたんだとか。つまりここから豆腐の摂取量を出したってことですね。
これらのデータを統計処理したところ、この24年間の中で、脳卒中により死亡した方は417人いたそうです。因みに内訳は、

  • 脳出血:88人
  • 脳梗塞:245人
  • その他:84人

って感じ。
では、豆腐の摂取量との関連性を見てみましょう。

  • 全年齢の男性と65歳以上の女性において、豆腐の摂取量と脳卒中は関係なかった…!
  • 65歳未満の女性において、最も豆腐を摂取していた人たちは、最も豆腐を摂取していなかった人たちに比べて、脳出血のリスクが74%(HR0.26)も有意に低かった…!

65歳未満の女性だけ脳卒中の一つである脳出血リスクが下がるってのはなんかパッとしない結果ですね。
これについては研究者も同じような事をおっしゃっておりまして、

  • 日本人の男女を長期にわたって追跡調査したこの大規模前向きコホート研究では、豆腐の摂取は、65歳未満の女性における脳出血リスクの低下を除いて、脳卒中リスクとは無関係だった。この結果について若い女性と実際に関係があるのか、単なる偶然なのか、更なる研究が必要である

としております。
豆腐の摂取量がアンケートからの推測だったり、観察研究だったりと偶然性も否めない感じみたいですね。



個人的考察

ということで豆腐が脳卒中リスクを下げる可能性はあまり期待しない方が良さげです。



参考文献