【加筆内容】超加工食品で肥満リスクは増えるのか?
超加工食品で肥満リスクが79%アップ…!ウエスト肥満リスクが30%アップ…!5.6年の間にBMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率が5%以上増えるリスクがアップ…!
2020年のサンパウロ大学の研究によると、超加工食品と肥満リスクの関係について前向きコホート研究を行ってみたそうです。
実験期間の中央値が5.6年ってことなんで、5年半の間に肥満・ウエスト肥満になった人がこれだけいたってことですね。
とのことでした。
軽く復習しておきますと、超加工食品とは見た目からでは原材料が分からなかったり添加物が大量に使われている食品のことを言いまして、ソフトドリンクやスナック、お菓子、シリアルや加工パン、加工肉、レンチン製品やインスタント製品なんかが該当します。超加工食品は総じて非常に口当たりがよく、便利で、大容量で販売され、積極的に宣伝されていたりもするんですよね。
このように超加工食品は手軽に簡単にすぐ食べられておいしいと良い事尽くしな感じがしますが、食べると太りやすい…!っていう弱点がありそうなんですな。
例えば、
って感じで、ブラジルやアメリカ、カナダの横断研究から、スペインとブラジルの縦断研究と近年、軒並み肥満の原因だ…!って出ているんですよ。ではイギリスの場合はどうなんだ…?ってことで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究はUKバイオバンクっていう大規模コホート研究のデータセットを用いたと言うもの。UKバイオバンクは2006年から2010年の間に参加者を募り、40~69歳の502,536人が参加したもので、その後2012年から2013年と2014年から2019年に再度チェックをしております。スタート時とフォローアップ時のチェック項目は、基本情報からライフスタイル、健康関連についてで、これらを自己記入式のアンケートで答えてもらったんだとか。
因みに超加工食品の摂取量は、24時間で食べたものを思い出してもらったとのこと。これらを食品の加工度分類「NOVA」に当てはめていったそうな。また肥満計測については、BMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率で調べたらしい。最後にデータを統計処理したそうです。
それでは結果を見ていきます。
まずは参加者情報から。
- 22,659人の参加者(女性52.1%、男性47.9%)が参加していた。
- 肥満とウエスト肥満の発生率の分析については、ベースラインで肥満じゃない人18,218人、ウエスト肥満じゃない人17,113人のデータに基づいて行った。
- 参加者のスタート時の平均年齢は55.9歳だった。
次に超加工食品の占める割合です。
- 食事全体から見た超加工食品の占める割合は48.6%だった…!
- スナックとデザートの占める割合は33%だった(ペストリー、パン、ケーキ、ビスケット、お菓子、スナック、ゼリーやプリンみたいなデザート)
- 超加工パンとデザートの占める割合は21%だった(ベーグル、バンズ(ハンバーガー用のパン)、ロールパン)
- 冷凍・常温保存可能な超加工食品の占める割合は16%だった(フライドポテト、ソーセージ、ナゲット、フィッシュフィンガー(魚のフライ)、その他の加工肉製品、ピザ、レンチン食品、インスタント食品)
- 飲料の占める割合は15%だった(乳飲料、ソフトドリンク、フルーツドリンク、フルーツジュース、お酒、砂糖入りコーヒー飲料)
- 調味料、その他の超加工食品の占める割合は9%だった(マーガリン、ソース、ドレッシング、グレイビーソース、チョコレートやナッツバター、チーズバター、甘味料)
- 朝食用シリアルの占める割合は6%だった(コーンフレーク、オートクランチ)
食事の約半分は超加工食品…!ってのを見ると、すごい割合ですよね。でも確かにこれぐらいは行きそうですな。
続いて肥満になった人がどれぐらいいたか見てみます。
- 追跡調査中に肥満(BMI=30kg/m2以上のこと)になった人は947人いた…!
- 追跡調査中にウエスト肥満(男性102cm以上、女性88cm以上)になった人は1,900人いた…!
実験期間の中央値が5.6年ってことなんで、5年半の間に肥満・ウエスト肥満になった人がこれだけいたってことですね。
それでは本題である超加工食品と肥満リスクの関係の結果です。
変数を調整後、超加工食品の消費量に応じて4グループに分けた結果、最も超加工食品を食べていたグループは、最も超加工食品を食べていなかったグループに比べて、
- 肥満リスクが79%(HR1.79)も高かった…!
- ウエスト肥満リスクが30%(HR1.30)も高かった…!
とのこと。
また、
- BMIが5%以上増えた参加者は3,871人だった…!
- ウエスト周りの長さが5%以上増えた参加者は5,981人だった…!
- 体脂肪率が5%以上増えた参加者は3,340人だった…!
らしく、変数を調整後、超加工食品の消費量に応じて4グループに分けた結果、最も超加工食品を食べていたグループは、最も超加工食品を食べていなかったグループに比べて、
- BMIが5%以上増えるリスクが31%(HR1.31)も高かった…!
- ウエスト周りの長さが5%以上増えるリスクが35%(HR1.35)も高かった…!
- 体脂肪率が5%以上増えるリスクが14%(HR1.14)も高かった…!
と有意差があったみたい。
更に超加工食品の摂取量が10%増えると、
- ウエスト周りの長さが5%以上増えるリスクが6%(HR1.06)も高かった…!
- 体脂肪率が5%以上増えるリスクが3%(HR1.03)も高かった…!
とのことでした。
個人的考察
まとめると、超加工食品を多く含む食事、つまり西洋スタイルの食事は、肥満リスクを79%、ウエスト肥満リスクを30%と有意に上げるし、5.6年でBMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率を5%以上増やすリスクもアップするみたい。
そのため、生鮮食品や未加工食品、最小限の加工食品を意識してとると肥満防止、体型維持、ダイエット成功に近づきそうです。