先週の続きです
今回は、眼疾患・視覚障害の平均寿命に関係していそうな介入について調べた研究を見ていきます。



加齢黄斑変性と白内障があると寿命が短くなる可能性がある

2004年の研究によると、加齢による眼疾患と死亡リスクについて調べてみたそうです。
この研究はAREDSっていう研究データを使ったもので、AREDSは加齢黄斑変性と加齢白内障について調べた前向きコホート研究となっております。参加者は1992年11月13日~1998年1月15日までに登録した55歳~81歳(平均年齢69歳)までの4,757人でして、特定のサプリ(ビタミンC500mg、ビタミンE400IU、ベータカロテン15mg、亜鉛80mg)が上記の眼疾患の発症率と進行に及ぼす影響がどうなのかチェックしたそうな。
1992年11月13日から2001年10月12日までの間にデータのあった4,753名のうち534名(11%)が亡くなったそうで、追跡期間の中央値は6.5年ということでした。このデータを統計処理して加齢による眼疾患と死亡リスクを見てみたらしい。
結果、

  • 加齢黄斑変性の重症度が増すと全死亡リスクも高かった
  • 加齢黄斑変性が進行した参加者は、ほとんどない参加者に比べて、全死亡リスクが41%(RR1.41)も高かった
  • 白内障がある場合、全死亡リスクが40%(RR1.40)も高かった
  • 白内障の手術は全死亡率リスクが55%(RR1.55)も高かった
  • 亜鉛サプリを飲んでいた参加者(亜鉛サプリのみ、抗酸化物質+亜鉛サプリ)はそうでない参加者に比べて、全死亡リスクが27%(RR0.73)も低かった
  • 抗酸化物質サプリは関係なかった
  • 抗酸化物質と亜鉛をランダムに摂取するよう割り当てられた参加者は加齢黄斑変性の進行と視力低下リスクが低かった
  • 視力が低い参加者はそうでない参加者よりも全死亡リスクが36%(RR1.36)も高かった

とのこと。
つまり加齢黄斑変性と白内障があると寿命が短くなる可能性があるってことですね。それともしかしたら亜鉛が対策になるのかも…?って感じでした。