風邪の予防と聞いて手洗いとセットで扱われることが多いのが「うがい」であります。
今回はこのうがいについて書いておきます。



風邪の予防にうがいが効くのかの研究は実は全然進んでいない

一昔前、風邪の予防にはうがいをしましょう…!ってよく言われたもんですよね。更にはインフルエンザ対策にもうがいをしましょう…!なんて科学的根拠のないことも広まっていましたよね。まー最近は大分インフルエンザ対策にうがいが除外されることが多くなり周知もされてきましたがあれはいったい誰が言い出し始めたのか…。
因みに首相官邸のウェブページのインフルエンザ(季節性)対策にも「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」と記載されていますので、この当たりはまず信頼して良い情報かと思います。

ここで注目してほしいのが前半の「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれています」という部分。「効果があります」ではなく「効果があるといわれています」ってのがミソ。実はうがいと風邪などの予防効果を調べた研究って超少ないんですよ。これだけメジャーな予防法なのに全然研究が進んでいないなんて意外ですよね~。


んで、その数少ないうがいと風邪予防の効果の研究の一つが2005年の京都大学のRCT。この研究では18歳から65歳の健康な方387人を対象に2002年から2003年の冬にかけてうがいによる風邪の予防効果を調べたそうで、結果は

  • うがいは風邪予防に効果あり…!

だったそうです。因みにうがい薬(ポビドンヨード)を使わなくても水のみのうがいをするだけで40%ほど風邪の発症率が下がったそうです。つまり、うがいは水道水で十分ということ。言われてみれば当然で、あんま強い殺菌作用の薬で口を洗うと悪い口内細菌と一緒に良い口内細菌も死んじゃうんで、その瞬間は良くてもその後の口内のガードが甘くなり、結果風邪等のウイルスに攻められやすくなりますもんね~(要は腸内細菌と基本は同じ)


話はそれますが、うがいといえば一時期、ポビドンヨード(イソジンなど)でうがいをするとコロナに効く…!って大阪府の知事がおっしゃって話題になりましたよね。あれは大阪府・大阪市・大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターが共同で行ったRCTみたいなんですが資料1資料2によると、大阪府の宿泊療養施設にいる療養患者(陽性患者)、41名に協力してもらい起床時・昼食前・夕食前・就寝前の1日4回、ポビドンヨード(イソジンなど)によるうがいを実施。更に毎日、唾液を採取してPCR検査を行ったそうな。実験期間は資料によれば4日間だったっぽくて、その結果がポビドンヨード(イソジンなど)でうがいをした方がそうでないグループよりもコロナウイルスの陽性頻度が減ったという、突っ込みどころ満載な内容だったご様子。インサイダー疑惑すら湧いたあのニュースも今や懐かしいですね~。


っと何の話でしたっけ…?
そうそう、うがい(笑)
ってことで、うがいは効果がありそう、水道水で行えば十分って結論なんですが、いかんせん、サンプル数が少ないんで今後覆る可能性は大いに有り得ます。もう少しRCTがでてきてメタ分析とかされると良いんですが研究数が少ないんでなんともな~って感じ。



個人的考察

ということで以上うがいについてでした。
個人的には手洗い最強…!うがいはできたらやろうかな~ぐらいで良いような気がします。更に言うなら、うがいより運動と一緒にビタミンC摂取を私は押したいですね~。



参考文献