【まとめ】U.S. News & World Reportのダイエットランキング8年連続1位になっていた「DASHダイエット」ってどうやるの?
DASHダイエットってなに…?
冒頭で書いた通り、2018年のU.S. News & World Reportのダイエットランキング1位はDASHダイエットだったんですよね。因みに地中海式ダイエットは2位でした。そして2017年のダイエットランキングも1位はDASHダイエットで2位は地中海式ダイエットでした。つまり、地中海式ダイエットが1位になりだしたのはここ最近のことでそれまでは2位ばっかだったんですよね。
調べてみると、U.S. News & World Reportのダイエットランキングが毎年連続で発表され出したのが2011年頃らしく、DASHダイエットは2011年から2018年までの8年間、連続1位になっていたみたい。ほえ~素晴らしい…!
…。なんだけれども、不思議なのが日本では全く無名に近いダイエット法だということ。これほど長期間ダイエットランキング1位を獲得しながら日本で流行らなかったのはなぜなんですかね~。謎…。
それはさておき、DASHダイエットってなに…?って話に入っていきたいと思います。
DASHダイエットは高血圧の改善なんで塩分を減らしつつ、カリウムが多い野菜をたくさん食べるのが基本になります(カリウムは塩分(ナトリウム)の吸収を防いでくれたり、余分な塩分を尿として排出する機能がある)
DASHダイエットの効果
DASHダイエットは高血圧改善が目的の食事法なんで、血圧改善の効果はほぼほぼ間違いなさそうな感じ。2014年のイスファハン医科大学のメタ分析や2015年のニューカッスル大学のメタ分析でもDASHダイエットは高血圧に効果あり…!って結論が出ていますしね~。
また、2016年のイラン医科大学のメタ分析では、肥満な人には減量効果あり…!って結論もでているので、ダイエット効果も期待してよろしいかと…。まぁ、高血圧と肥満は密接に関わっているんで当然っちゃ当然ですが…。
他にも2018年のマシュハド医科大学の研究によると12歳から18歳までの思春期の女性580人を対象にDASHダイエットを行ったんだそうな。すると、うつ病を減少させることができたそうです。精神疾患の半数は10代で発症すると言われることからDASHダイエットはうつ症状の低下や発症を抑える効果が期待できそうな感じとのこと。
DASHダイエットの食事
次にDASHダイエットの気になる食事についてまとめていきたいと思います。
といった感じ。こうみるとかなり普通な食事法ですよね。良く言えば堅実な食事法、悪く言えば地味な食事法とでも言いますか…。まぁそれも当然っちゃ~当然で、DASHダイエットは昔ながらの栄養学を基に考案された食事法なんでこういう感じになりますわな。個人的にはそこまで飽和脂肪酸や赤身肉を邪険にしなくてもいいよな~とかコレステロールは別に気にしなくてもいいんじゃないかな~とか抗栄養素成分がある豆類は避けてもいいんじゃないかな~とか色々思ったりします。
DASHダイエットの運動
運動についてですが、減量目的であればやっぱした方が良いとのこと。
高血圧対策の1位はDASHダイエット…!その効果は地中海式ダイエットを上回る…!
2018年のドイツ人間栄養研究所の研究によると、高血圧の患者さんや高血圧予備軍の方にどのような食事法が有効なのか系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2017年6月までに発表された該当研究をPubMed、コクラン、Google Scholarで検索してみたそうな。またこの時、RCTに的を絞って探してみたらしい。すると2,949件の研究が見つかったんだとか。
続いてこの中から基準を満たす質の高い研究を選んで行ったそうで、最終的に67件の研究がピックアップされたとのこと。これらの研究の概要は以下な感じ。
- 総サンプル数:17,230人
- サンプルの特徴:高血圧の患者さんや高血圧予備軍の方
- 期間:1981年~2016年の間
- 場所:北米18件、ヨーロッパ29件、アジア4件、オーストラリア・ニュージーランド15件、南米1件
- 期間:3か月~48か月の間
- 年齢範囲:23.6歳~71歳の間
- BMIの範囲:23.6kg/m2〜45.4kg/m2の間
続いて、ここでピックアップされていた食事法(食事スタイル・食事パターン)についても見ておきましょう。
- DASHダイエット:DASHダイエットとは、果物や野菜、低脂肪乳製品、全粒穀物を多く摂取しつつ、塩分(ナトリウム)を抑える食事スタイル
- 地中海式ダイエット:果物や野菜、オリーブオイル、豆類、シリアル、魚を多く摂取し、赤ワインを適度に摂取する食事スタイル
- 糖質制限ダイエット:1日のカロリー摂取量の25%未満を炭水化物とし、動物性タンパク質や植物性タンパク質の摂取量が多く、脂肪の摂取量も多くする食事スタイル
- パレオダイエット:赤身肉や魚、果物、葉物野菜やアブラナ科の野菜、根菜類、卵、ナッツ類を多く食べつつ、乳製品、穀物、豆類、精製脂肪、砂糖、キャンディー、ソフトドリンク、ビール、塩分を抑える食事スタイル
- 中程度の炭水化物食:1日のカロリー摂取量の25~45%を炭水化物とし、10~20%をタンパク質とする食事スタイル
- 高タンパク質食:1日のカロリー摂取量の20%以上をタンパク質とし、動物性タンパク質と植物性タンパク質の摂取量を多く、脂肪の摂取量を35%未満にする食事スタイル
- 北欧ダイエット(ノルディックダイエット):全粒穀物、ベリー類、果物、野菜をたくさん摂取しつつ、魚料理は週3回、菜種油(オメガ6脂肪酸)と低脂肪乳製品、砂糖入り製品(加工食品)を抑える食事スタイル
- チベットダイエット:高タンパク質、ビタミン豊富な食事であり、できれば調理した温かい食事とする食事スタイル
- 低脂肪食:1日のカロリー摂取量の30%未満を脂肪としつつ、穀物の摂取量を多く、タンパク質の摂取量を10~15%にする食事スタイル
- 低GIダイエット:GI(グリセミックインデックス:食後の血糖値の上昇度を表すもの)をなるべく低く抑えるような食事スタイル
- ベジタリアンダイエット・ビーガンダイエット:肉や魚を食べない、動物性の食品を食べない食事スタイル
- 低ナトリウム食:塩分控えめの食事スタイル
- 対照食:普通の食事
全13種類の食事法を比べているということで、なかなかよろしい感じと言えるのではないでしょうか…?
それではまず大枠の結果から見てみましょう…!
- DASHダイエット、地中海式ダイエット、糖質制限ダイエット、パレオダイエット、高タンパク質食、低GIダイエット、低ナトリウム食、低脂肪食は、対照食に比べて、収縮期血圧(最大血圧)が-8.73~-2.32mmHgと拡張期血圧(最低血圧)が-4.85~-1.27mmHgを有意に低下させる効果があった…!
いや~納得のラインナップなのではないでしょうか…?
続いて、これらの高血圧に効くランキングを見てみましょう…!
- 1位:DASHダイエット…!収縮期血圧を90%、拡張期血圧を91%も下げるなど、最も効果的な食事スタイルだった…!
- 2,3位:パレオダイエット・糖質制限ダイエット(収縮期血圧では3位)
- 2,3位:地中海式ダイエット(拡張期血圧では3位)
なんと、高血圧対策に特化して調べてみると、DASHダイエットの効果は地中海式ダイエットを上回るみたいです。これはすごいですね~。
この結果に研究者曰く、
- DASHダイエットは、高血圧の患者さんや高血圧予備軍の方の血圧を下げる最も効果的な食事法である可能性を示している
としています。
とのこと。
DASHダイエットはどのような血圧の方にもおすすめということですね。
高血圧の有無に関わらずDASHダイエットで血圧が低下する…!
2020年のアテネ大学の研究によると、高血圧の有無に関わらずDASHダイエットで血圧が低下するのかRCTの系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
先行研究により、DASHダイエットで収縮期血圧と拡張期血圧が低下することが分かっておりました。んがしかし、先行研究はいずれも血圧に問題がある人を対象にしていたんですよね。そこで今回研究者たちは、高血圧の成人・非高血圧の成人におけるDASHダイエットの血圧低下効果をチェックしてみることにしたらしい。
まず最初に2019年2月28日までに発表された該当するRCTをMedline、コクランで検索してみたそうな。すると576件の研究がヒットしたらしい。更に他から入手した3件の研究も加えてみたんだとか。次のこの中で重複している物を除外、その後、質の高い研究をピックアップしていったそうです。
最終的に選ばれた研究はRCT30件でして、特徴は、
- 総サンプル数:5,545人
- 男性の割合:45%
- 平均年齢:51歳
- 平均BMI:29.2kg/m2
- スタート時の平均収縮期血圧:134.3mmHg
- スタート時の平均拡張期血圧:84.9mmHg
- 平均追跡期間:15.3週間
って感じ。
これらのデータを用いて系統的レビューとメタ分析を行ってみた結果、
- DASHダイエットで血圧が低下していた…!
- 収縮期血圧は-3.2~-2.3mmHgも低下していた…!
- 拡張期血圧は-2.5~-1.5mmHgも低下していた…!
- DASHダイエットグループとコントロールグループにおける収縮期血圧と拡張期血圧の低下効果は、高血圧の有無と関係がなかった…!
- 治療を受けていない高血圧の患者さんは、高血圧の患者さん全体よりも血圧低下効果が高かった(収縮期血圧2.0mmHg、拡張期血圧0.8mmHg)
- 塩分の摂取量が1日2400mgを超える人は、1日2400mg以下の人よりもDASHダイエットの収縮期血圧低下効果がより顕著だった…!
- 平均年齢が50歳未満の人は、平均年齢が50歳以上の人よりもDASHダイエットの収縮期血圧と拡張期血圧の血圧低下効果がより顕著だった…!
とのこと。
塩分を取りまくっている人や若い人の方が効果は高いものの、今の血圧に関係なくDASHダイエットは効果がある…!ってのは素晴らしいですねー。
因みにこの結果に研究者曰く、
- DASHダイエットにより収縮期血圧と拡張期血圧の両方が有意に低下することが確認された。また我々の知る限り、今回初めてこの効果がベースラインの血圧レベルとは無関係であることも示された
とのこと。
DASHダイエットはどのような血圧の方にもおすすめということですね。
2023年時点における最大規模の血圧と食事研究の話
2023年のキングサウード大学の研究によると、高血圧の予防と血圧管理における食事の役割についてRCTと観察研究のメタ分析のアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそも2017年の米国心臓病学会(ACC)とアメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインによれば、高血圧は収縮期血圧が130mmHg以上で拡張期血圧が80mmHg以上と定義されております(日本と若干違う)。そして2021年のNCD-RisCの研究により、2019年の30~79歳における高血圧の世界的有病率は、女性32%、男性34%だったそうな。つまり3人に一人は高血圧ってことで、世界的な問題の一つと言えるでしょう。
そのため、高血圧に対する様々な食事の役割を調べた研究がいくつも発表されておりました。但し個々の食生活パターンや食品グループ、特定の食品の効果、飲料、主要栄養素、微量栄養素を調べた研究は発表されてきたものの、これらを一元的・網羅的に血圧との関係を調べた研究は存在していなかったらしい。
そこで今回研究者たちはRCTと観察研究のメタ分析をまとめたアンブレラレビューを行い、ガッツリ調べてみることにしたんだとか。
ということで、まず最初に2021年10月31日までに発表された該当するRCTのメタ分析又は観察研究のメタ分析をPubMed(MEDLINE)、Embase、Web of Science、コクランで検索してみたそうな。また、手動でもチェックしてみたらしい。
その結果、
- PubMed(MEDLINE):7,420件
- Embase:5,561件
- Web of Science:7,676件
- コクラン:8件
- 手動検索:2件
と言った感じで、合計20,677件ものメタ分析が見つかったそうです。
続いてこの中で重複している研究や質の低い研究を除外していったそうで、最終的に175件の研究がピックアップできたんだとか。
この175件の研究の内訳は、
- RCTのメタ分析:145件、うちメタ分析の数は341件
- 観察研究のメタ分析:30件、うちメタ分析の数は70件
だったそうで、主要な研究地域は、ヨーロッパ(119件)、北アメリカ(106件)、アジア(87件)って感じ。その他も一応見ておくと、中東(61件)、オーストラリアとニュージーランド(50件)南米(36件)、アフリカ(10件)って感じでした。世界中から選ばれている感じでかなりの規模ですよね。
続いて、RCTのメタ分析と観察研究のメタ分析の特徴もチェックしておきましょう。
【RCTのメタ分析の特徴】
- メタ分析に含まれる研究数の範囲:2件~91件
- サンプル数の範囲:69人~36,806人
- 期間の範囲:1時間~7年
【観察研究のメタ分析の特徴】
- 高摂取と低摂取の比較:30件
- 上記のうち高摂取と低摂取の比較と用量反応関係の報告:9件
- 用量反応関係の報告のみ:3件
- メタ分析に含まれる研究数の範囲:2件~41件
- サンプル数の範囲:5,560人~640,525人
- 期間の範囲:1.3年~38年
それでは、2023年時点における最大規模の血圧と食事研究の結果をじっくり見ていきましょうか…。
結果①:食事スタイル(食事パターン)
まずはどのような食事スタイル(食事パターン)が血圧に良いのかです。
RCTのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果、
【エビデンスレベルが高かった食事スタイル】
- DASHダイエット:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 超糖質制限ダイエット(ケトジェニックダイエット):拡張期血圧が有意に低下していた…!
【エビデンスレベルが中程度の食事スタイル】
- 低ナトリウム食&高カリウム食:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- カロリー制限ダイエット:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 低脂肪食:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 糖質制限ダイエット(低炭水化物食):収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 地中海式ダイエット:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 高一価不飽和脂肪酸(MUFA)食:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- ベジタリアン食:収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
とのこと。
その他の食事法は、有意ではない低下やエビデンスレベルが非常に低い物だったそうです。
続いて、観察研究のメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果なんですが、
- エビデンスレベルが高かった、中程度の食事スタイルはなかった…。
とのこと。
どれもエビデンスレベルが低い又は非常に低い物のみだったみたい。
結果②:肉・卵・魚
次は肉・卵・魚と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
もしかしたら卵と魚は良いのかも…?って感じで、あんまり参考にならない感じですね。
結果③:乳製品
次は乳製品と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い、非常に低い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物として、ラクトトリペプチドの摂取は収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた。成分無調整乳製品と低脂肪乳製品はエビデンスレベルの低い研究があった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物として、成分無調整乳製品、低脂肪乳製品、牛乳、発酵乳製品の摂取は高血圧が有意に低下していた。成分無調整乳製品、ヨーグルト、チーズ、液体乳製品はエビデンスレベルの低い研究があった。
乳製品もパッとしない結果ですねー。
こちらも参考にはなりそうにないです。
結果④:果物と野菜
次は果物と野菜と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
果物については、ブルーベリー(ベリー類)が一番可能性がありそうですね。野菜については特定の物ってことはなさそうな感じ。
結果⑤:でんぷん質の食品(穀物とジャガイモ)
次はでんぷん質の食品(穀物とジャガイモ)と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、非常に低い物はなかった…。エビデンスレベルが低い研究のみあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった…。エビデンスレベルが非常に低い研究のみあった。
こちらは参考になりませんねー。
結果⑥:豆類
次は豆類と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い、非常に低い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物として豆類で収縮期血圧が有意に低下していた。エビデンスレベルが低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった…。エビデンスレベルが非常に低い研究のみあった。
こちらも参考になりませんねー。
結果⑦:ナッツ類と種子類
次はナッツ類と種子類と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物として亜麻仁(アマニ)の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、ゴマ、ニゲラの種の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下、クルミの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった…。エビデンスレベルが非常に低い研究(ナッツ類)のみあった。
亜麻仁の種のみ良さそうですが、なかなか実践していくとなると難しそうですねー。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い、低い、非常に低い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物としてココアの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった。エビデンスレベルが非常に低い研究のみあった。
ココアがまぁまぁ良さそうって感じですね。
結果⑨:ハーブ・スパイス・調味料
次はハーブ・スパイス・調味料と血圧の関係についてです。
メタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物としてシナモンの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが低い、非常に低い研究もあった。
シナモンもまぁまぁ良さそうって感じですね。
結果⑩:飲料
次は飲料と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
紅茶、緑茶、アルコールがまぁまぁ良さそうって感じですね。
結果⑪:炭水化物・食物繊維・糖質
次は炭水化物・食物繊維・糖質と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物としてサイリウム(オオバコ)、イノシトールの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!またエビデンスレベルが中程度な物としてイヌリンの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究もあった。食物繊維はエビデンスレベルが低い物のみだった。エビデンスレベルが中程度な物として糖質の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に増加していた…。またエビデンスレベルが中程度な物として果糖の摂取で拡張期血圧が有意に低下していた…!
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった。エビデンスレベルが非常に低い研究はあった。
オオバコとイノシトール(米ぬかとか)が良さそうなのと糖質は良くなさそうな感じでしたねー。
結果⑫:タンパク質
次はタンパク質と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い、非常に低い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物としてソイプロテインの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった。エビデンスレベルが非常に低い研究はあった。
ソイプロテインがまぁまぁ良さげですねー。
結果⑬:脂質・油(オイル)
次は脂質・油(オイル)と血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物はなかった。エビデンスレベルが中程度な物としてEPAとDHAの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!またエビデンスレベルが中程度な物としてオリーブオイルの摂取で収縮期血圧が有意ではない低下をしていた。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度、低い物はなかった。エビデンスレベルが非常に低い研究はあった。
どうやらオメガ3脂肪酸のサプリはまぁまぁ効果がありそうですねー。
尿中カリウム濃度が高い場合はかなり信頼できるみたいですね。また、減塩、塩の代替品の使用、マグネシウムサプリも効果がありそうな感じ。
ビタミンについてはマルチビタミンがかなり良さそうか感じで、ビタミンC、マルチビタミン、ビタミンDも期待して良いかもって感じですね。
結果⑭:ミネラル
次はミネラルと血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物として尿中カリウム濃度が高い場合、収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、低ナトリウム又は塩の代替品、マグネシウムの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下、クロムの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度の物はなかった。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究はあった。
尿中カリウム濃度が高い場合はかなり信頼できるみたいですね。また、減塩、塩の代替品の使用、マグネシウムサプリも効果がありそうな感じ。
結果⑮:ビタミン
次はビタミンと血圧の関係についてです。
それぞれのメタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
ビタミンについてはマルチビタミンがかなり良さそうか感じで、ビタミンC、マルチビタミン、ビタミンDも期待して良いかもって感じですね。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物としてニュートリグレード製品の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、ラクトバチルスプランタルムサプリメントの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下、発酵乳の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた。
プロバイオティクスも物によっては効果がありそうですね。
結果⑰:ポリフェノール
次はポリフェノールと血圧の関係についてです。
メタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物としてブドウの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、ブドウ種子抽出物とアントシアニン(ベリー類、赤ブドウ、赤ワイン)で収縮期血圧がケルセチンで拡張期血圧が、フラバノール、プロアントシアニジンの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧がそれぞれ有意に低下、アントシアニンサプリメントの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない増加、レスベラトロールサプリメント、ブドウ種子抽出物の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた。エビデンスレベルが低い研究もあった。
- 観察研究のメタ分析:エビデンスレベルが高い、中程度の物はなかった。エビデンスレベルが低い、非常に低い研究はあった。
ポリフェノールもブドウやベリー類は良さそうですし、ケルセチン、フラバノールも期待できそうですね。
結果⑱:植物化学物質
次は植物化学物質と血圧の関係についてです。
メタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
植物ステロール、グリーンコーヒー抽出物、緑茶抽出物、クロロゲン酸が良い感じみたいですね。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物として硝酸塩で収縮期血圧が有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、硝酸塩で拡張期血圧が有意に低下していた…!
葉物野菜に多い硝酸塩も良い感じなんですね。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが高い物としてステビオール(ステビア)で拡張期血圧が有意に低下していた…!エビデンスレベルが中程度の物として、ステビオシド(ステビア)の摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意に低下していた…!
意外にもステビアは血圧低下に役立つんですねー。
結果:その他
最後はその他と血圧の関係についてです。
メタ分析をアンブレラレビューしてみた結果がこちら。
- RCTのメタ分析:エビデンスレベルが中程度の物として、アスタキサンチンサプリメントの摂取で収縮期血圧・拡張期血圧ともに有意ではない低下をしていた…!
こちらはオマケ情報みたいな感じですね。
まとめ
これらのデータを見た結果のまとめを確認して終わりにします。
- DASHダイエットは血圧を下げるのに最も効果的な食事スタイルだった…!
- DASHダイエットは高血圧の薬の治療に匹敵する効果があり、これは地中海式ダイエットでも同様の結果が得られた…!
- DASHダイエット、超糖質制限ダイエット(ケトジェニックダイエット)(拡張期血圧のみ)、亜麻仁、硝酸塩(収縮期血圧のみ)、尿中カリウム濃度、マルチビタミン・マルチミネラル(拡張期血圧のみ)、ステビオール(拡張期血圧のみ)、プロバイオティクス、硝酸塩(収縮期血圧のみ)、ブドウとその製品は、エビデンスレベルが高く、信頼性が変わることはなさそうだった…!
ということで高血圧対策には、やっぱりDASHダイエットがオススメです…!
血圧にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください…!