障がい者支援について考える その6「今年あった支援などのポイントの復習(続き)」
今年あった支援などのポイントを復習してみよう…!(前回の続き)
前回の研修の後半で行った、今年あった支援などのポイントを復習してみよう…!の続きになります。要は今年あった支援などのポイントを今年中に復習してすっきり来年を迎えましょうという形です。因みに復習が全て終了後の最後にテストをしました(笑)では早速、前回の続きからポイントを見ていきましょう…!
努力の結果、成果が出来たときは恥ずかしがらず、謙遜せず、自分をほめてあげて下さい。そして、自信を持って下さい。
【参考】
13. 認めるという事
上司が出来る事はあくまで方向指針を決めることぐらいで、実際に行い変えていくのは現場の皆さんです。そのため、前にも言いましたが、皆さん全員の協力は必須となります。努力の結果、成果が出来たときは恥ずかしがらず、謙遜せず、自分をほめてあげて下さい。そして、自信を持って下さい。
【参考】
14. 支援の方向性 事例
Aさんの概要
- 最近利用開始した方
- 知的障がい 男性 30代
- ニーズ:継続力をつけたい。集中力をつけたい。
- 作業手順を覚えたい(覚えられるか不安がある)
- 相談内容:事業所を辞めたい気持ちがあるという事
支援の方向性
- まず、スタッフに言いづらい「辞めたい」という気持ちを言ってくれたことに対して褒める(不安傾向の人は発信が苦手でその発信ができたことを賞賛する)
- Aさんだけでなく誰でも「辞めたい」と思う事はあるよね~と伝える(共感する)
- じゃあ、いつから「辞めたい」と思ったのか、きっかけはなんだったのかなど聞いていく(なぜ?なぜ?なぜ?と聞き、こちらだけでなく本人にも「辞めたい」理由の具体化をはかってもらう)
- 以前にも同じ事があったかなど掘り下げる。その上で共通点や違いなどをみていく。
- 上記のような具体的なことを考えていくのが目標である「継続力」がつくことにつながるのではないかと伝える。
- まとめとして、このような具体化、対策を事業所で行っていかないか提案する。そうすれば継続力もつくのではないかと提案してみる(自分なりの対策法をみつけていくことを提案する)
否定や批判をしないことです。初めにこれをしてしまうと相談者は「相談しても無駄」「こいつは敵だ」となり、拒否反応がでて、その後のアドバイスを聞いてくれなくなります(相談もしてくれなくなります)
まずは共感をメインにして、しっかり聞いた後「本人のニーズをもっと達成しやすくなるための提案」として話してみると良いかと思います。
- 最近精神不安である。
- 今日スタッフの言う事を聞かず外に飛び出してしまった。
- 母親に連絡し早退している。
- 相談内容:利用を終了してもらうべきか?
支援の方向性
- まずは精神不安定の為2週間自宅でゆっくり休んでもらう。
- その間に精神科を受診してもらい、医師に相談、薬の調整などを行ってもらう。
- 受診の結果を母親から事業所に連絡してもらう。
- 今後について本人、母親、スタッフで日程調整し2週間後、面談を行う。
- 面談で仕事意識やスタッフの指示が聞けず安全に仕事が出来ないと続けて行けない事を伝える。その上で社会性を身に付けるために本人には成長してほしい、通ってほしい、家族には協力してほしいことを伝える。
- その後、もし、同じケースがあれば謹慎として自宅待機を2週間から1ヶ月し、利用終了などを再検討していく。
ポイント
まず、家で冷静になってもらいつつ、医療の面から治療を行い、事業所に通えていた「当たり前」について本人にも考えてもらう期間を設けましょう。
Cさんの概要・相談内容
- 一般就労したい
- 就労移行支援事業所に移動をしたい
- 現在不眠である
支援の方向性
- Aさんの時と同様、この方も同じで、まずは、相談できたことについて褒めましょう(承認)
- 一般就労をしたい気持ちやそのために就労移行支援事業所に移動したい気持ちについてもステップアップを考えている、成長したいということについて良い事だね~と共感してあげる
- では、一般就労をしている人のイメージ(実際に障がい枠で就職した方の話を聞いたことがある方なのでその時の人を思い出してもいい)を挙げてもらう。どんな人たちだったか。体調はどうだったか。週どのくらい働いているか。一日何時間働いているか。どのような仕事をしているか。食事や睡眠などのサイクルに問題があったかなどイメージをなるべく細かくたくさん挙げてもらう。
- 挙げてもらったものは(自分でできなければ)スタッフでメモをとっておく。
- 挙げ終わったら、今度は今の自分(Cさん)と照らし合わせてもらう(これはできている。できていない。一部できているなど)
- 出来ている物、出来ていない物、取組中の物の精査ができたら、出来ていない物と取組中の物が就労移行支援の2年間で終わるのか想像してもらう。
- 2年で足りない、終わらないとなれば、今の事業所で「出来ている物」にかえることができるものがないのか考える(例えば、事業所で不眠は対策できそうなど)また、出来ていない物と取組中の物が残りいくつになったら就労移行支援事業所に移動するか、できるのか考える。
- 面談の時間がなければここで終了。次回までに「出来ている物」にかえられそうなものを一つ選び調べてきてもらう(上記例で言うと不眠について調べてきてもらう)
- 時間があれば、一緒に「出来ている物」にかえられそうなものを一つ選び、話し合って対策を考えていく。実際に考えた方法を試してもらう。また、その経過をノートに記載してもらう。ときどき、振り返りの面談やノート提出などを行うのも効果的。
- 面談の最後に、今日一般就労の具体的なイメージと達成できている物、課題点が精査できた事(一般就労に近付いたこと)を賞賛する。今日話したことは就職に必要な事の為、(もしメモをしていなければ)次回からメモを取れるようにしようと話してみる(就労移行支援事業所への移動・就活ノートの作成)また、不眠などの調べたものについても記載していくよう伝える。
- 見通しが見えたら、就労移行支援事業所への移動の為の計画を作成していく(例えば、今年の12月に移動するために、残り3つの課題は出来るようになる。そのために、最初の2ヶ月は不眠対策で次の2ヶ月は○○で~といった感じ)
ポイント
不安傾向の高い方だと思うので、Aさんの時と同様、褒める、共感して否定や批判をしないことは大切です。本人の成長したい意志を尊重しつつ、支援者が質問をすることによって自分の口から発信してそして自分で考えてもらい、そこに支援者がアドバイスしてよりそっていくと言った形がよろしいかと思います。また、面談最後に今日一日でこれだけ前に進んだ事、就労移行支援事業所への移動、一般就労に近付いたことを強調して伝え、褒めてあげるのは特に重要です(上記項目10)
【参考】
- 承認・褒めるの有効な手段「ウィンザー効果」
- FBIネゴシエーターから学ぶ交渉の5段階モデル
- ソクラテス式問答法→コミットメント
- コーピングレパートリー
- 無駄な努力をやめよう…!
- KJ法+α
- 最強のモチベーションアップ法「前に進んでいる感覚・前進感・進捗の法則」と、その他のモチベーションアップ・維持・低下防止法を片っ端から挙げていくよー
- スタンプカード
15. ルール作りの基本
ルール作りの基本は、- 普通の会社ではどうか?実社会ではどうか?
- そこに就労支援事業所として行うべき、特殊な事情はあるか?障がい特性上必要な配慮の点からはどうか?
この2点から考えて作ると普通の会社や実社会に近く、更に就労支援事業所や障がい特性を踏まえたルールにすることができます。
障がい者への差別は当たり前ですが、駄目です。でも、逆差別のような場合も駄目です。なぜなら、勘違いがおきますし、成長しないからです。更に、実際に一般就労などで実社会に出た時困るからです。
利用者さんが勘違いせず、社会性を身に付けられるようなルールを作るためにはこの当たりを意識するとよろしいかと思います。
16. 片付け
配置換えなど物事を変える時のコツは、①準備を行う。
お祭りと一緒で準備は大事です。実際に行う日がスムーズに動くよう事前に必要な物など準備しておきます。
②ざっくり→微調整を行う。
一度で完璧にできれば最高ですが、実際使ってみないと分からないことがあります。例えば、マニュアルや物の配置などです。そして、それはその都度変わってきます。
だから完璧を求めているといつまで経っても何もできないことがあります。
つまり、完璧主義はダメってことです。
上記の例のとおり、完璧主義は先延ばしの原因です。
だから、まずはざっくりやってしまいます。
後は使っていく最中に微調整してベターやベストを皆で探していく形です。
この方法だと常に良い物、良い状態を作って試行錯誤しているので、前に進んでいる感覚(モチベーションがアップする)もあります。また、変化し続けるとは成長し続けるということでもありますので、使いやすさや皆での話し合いのスキルも成長できます。要は事業所として成長できるということです。
まとめ
今後も物事を決めるシーンは毎日のようにあると思いますが、
準備→ざっくりやる→微調整
でやってみて下さい。
くれぐれも完璧主義にならぬようお気を付け下さい。
【参考】
お祭りと一緒で準備は大事です。実際に行う日がスムーズに動くよう事前に必要な物など準備しておきます。
②ざっくり→微調整を行う。
一度で完璧にできれば最高ですが、実際使ってみないと分からないことがあります。例えば、マニュアルや物の配置などです。そして、それはその都度変わってきます。
だから完璧を求めているといつまで経っても何もできないことがあります。
つまり、完璧主義はダメってことです。
上記の例のとおり、完璧主義は先延ばしの原因です。
だから、まずはざっくりやってしまいます。
後は使っていく最中に微調整してベターやベストを皆で探していく形です。
この方法だと常に良い物、良い状態を作って試行錯誤しているので、前に進んでいる感覚(モチベーションがアップする)もあります。また、変化し続けるとは成長し続けるということでもありますので、使いやすさや皆での話し合いのスキルも成長できます。要は事業所として成長できるということです。
まとめ
今後も物事を決めるシーンは毎日のようにあると思いますが、
準備→ざっくりやる→微調整
でやってみて下さい。
くれぐれも完璧主義にならぬようお気を付け下さい。
【参考】
17. 家族と信頼関係を作るコツの基本
まず、結論からいうと信頼関係構築には- 雑談
- 良い事・悪い事(長所・短所)のバランス
の2点が基本且つ重要になります。
1. 雑談
兎にも角にもまずは雑談は重要です。例えば町で行き交う人といきなり仲良くするのが難しいようにお互い相手の事が分からないと話の深い部分(相談)や指示を聞くなどの信頼関係はできません。また、雑談の中から出る言葉、例えば趣味などは支援をする上で大きなヒントになります。合間の休憩時間はチャンスなので雑談をしてみて下さい。
2. 良い事・悪い事(長所・短所)のバランス
お子さんがいる方は想像しやすいかと思いますが、例えば学校の担任から電話が来る。それがいつも悪いニュースだったり、先生が自分にいつも注意してきて褒められたことがないとします。
こういったことがあると電話はとりたくなくなるしその先生とは関わりたくないと思います。また、自信もなくなっていき、当然ストレスも溜まります。
つまり、信頼関係は作れないことになります。
人間はネガティブに目がいきやすいので(ネガティブバイアス)意識しないとついつい悪い所ばかり目がいってしまいます。
だからこそ、良い所にも目を向けましょう。そして、注意するのと同じぐらい褒めましょう。
これ大事です。どうしても支援をしていると注意ばかりをしがちになります。
それは本人にも家族にもなりがちです。
例えば問題があった時(悪い事)は家族に協力などのお願いの電話をすると思います。
でも、良い事のみを伝える電話をしたことがありますか?
良い事はスタッフ内で話し合って終了。良くて本人にちょっと言って終わりといったケースがありました。当然家族に連絡はしない感じです。
大体ですが良い:悪いは5:5ぐらいになるようにしていくとよろしいかと思います。そして、注意は多くなりがちなので、良い事があったら必ず本人をほめましょう。家族にも伝えましょう。
別に良い事、褒める事だけの電話をしても嫌な家族はいませんので。
あと上記以外のやり取りでも同様です。
例えばノートのやり取りも上記が基本となります。
長所・短所も実は同様で、これはスタッフ、メンバーさんに限らない話です。
- 自分の良い所・できた所はしっかり自分の良さとして認識して褒めましょう。
- 自分の悪い所・できなかった所はしっかり反省点として認識し次に改善策を考えましょう。
- 良い所、悪い所の両方を受け入れないと良い所を延ばす、悪い所を直すことができません。
謙遜は良いことですが、謙遜しすぎやナルシストみたいな両極端、つまり過ぎるは良くないです。
自分を過小評価、恥ずかしがって良さを認めず自分の強みだと言えないといつまで経っても成長しません。強みを活かそうとならないからです。
逆に利用者さんに多いですが過大評価していてはいつまで経っても自分の弱さと向き合えずやはり成長しません。改善できないからです。
この当たりも合わせて覚えておくとよろしいかと思います。
まとめ
支援をする上で良い事と悪い事が同じぐらいになるように本人、家族に伝えてあげて下さい。特に良い事があって支援者自身がうれしいと思った事は必ず、本人、家族、スタッフで共有しましょう。
また、今自分(自分たち)はどちらの割合が多くなっているか終礼や個別支援会議などで意識してみるとアプローチの方法を検討する材料になっていいかもしれません(+αとして上記のメタ認知が難しいケースではKJ法+α(開発された地域かどうかの方法・〇△×法)が使えると思います)
おまけ
と言った感じで偉そうに書きましたが、読んでみて感じたとおり「当たり前じゃん!」って内容ばかりだったと思います。ですが、なかなかどうしてこの当たり前をするのは意識しないと難しいです。
特に基本は大事で、実践は常に応用問題なので基本が出来なければ解決することは難しいです。
もちろん基本ができていても解決できるとは限りません。でも、基本ができていなければほぼ解決はできません。
そして、私もそうですが迷った時は原点回帰。基本に戻ります。
まずは今回記載した上記の基本をおさえておくとよろしいかと思います。
【参考】
18. 物事の本質
錯誤(勘違い)が起きた原因は物事の主旨(物事の本質)を考えていなかった事だと思います。どういう事かと言うと、「言われたからやる」という「作業」になっていたことです。会議で精勤手当について話しましたが、精勤手当は事業所、利用者さん双方にとってメリットがある内容として導入を開始しました。- 利用者さんのメリットは、全て出勤すれば追加で臨時のボーナスがもらえる。
- 事業所のメリットは、利用者さんの仕事へのモチベーションが増加し、出勤数が増える。
両者の利害が一致、つまり、マッチングしていたので導入、開始しました。
19. 事例
Sさんは施設外就労(スタッフ、利用者で企業に行き仕事をすること)先で大きな問題を起こしてしまった。今後の動きについて
- 施設外就労への参加はいったんなし
- 今後、事業所内作業で社会性を身に付ける訓練と軽作業を行っていく
- 退所はしない
- 就労移行支援事業所に行くチャンスはずっとある
- 明日以降の事業所への通所を謹慎でなしにはしない。それなら事業所内で反省文を書かせたり、社会性についてノートに書かせた方が効果がありそうなため
理由
以前の例えを使って説明すると、
- Sさんは事業所内でSSTなどによる社会性という土台を作らずに施設外就労先に行ってしまった(建物を建て始めた)
- そのため、少しの問題(揺れ)で崩れそうになりその都度解決(補強工事)をしていたが社会性が身に付いていない為(土台や柱がぐちゃぐちゃなため)何度も問題が起こり成長という名の高層ビルができない(建てられない)状態となってしまった
- 今回の問題を気に、もう一度一から土台から作り直す(社会性について学び直す)とした
といった形です。
次に、具体的な事業所内での社会性を身に付ける為の支援内容ですが、
- 反省文をひたすら書く。
- 問題行動(今回は暴言・態度だった)の改善ノートを書く。
- SSTを行う。
- 軽作業で実際に上記の成果を確かめる。
となります。一つずつの支援を更に掘り下げて説明すると、
1. 反省文をひたすら書く。
反省文を書き続けてもらう方法です。養護学校や支援学校で問題を起こした時に先生が使う方法です。
人間誰でもそうですが、良い記憶より嫌な記憶の方が残りやすいです。知的障がいの方は記憶の保持が苦手ですが、本当に嫌な記憶は私たち同様、残ります。
そのため、反省文をひたすら書かせることで「もう二度と同じこと(反省文を書き続ける事)はしたくない!だから問題行動もしない!」と思ってもらえるようにしていきます。
2. 問題行動(暴言・態度)の改善ノートを書く。
反省文を書き続けてもらう方法です。養護学校や支援学校で問題を起こした時に先生が使う方法です。
人間誰でもそうですが、良い記憶より嫌な記憶の方が残りやすいです。知的障がいの方は記憶の保持が苦手ですが、本当に嫌な記憶は私たち同様、残ります。
そのため、反省文をひたすら書かせることで「もう二度と同じこと(反省文を書き続ける事)はしたくない!だから問題行動もしない!」と思ってもらえるようにしていきます。
2. 問題行動(暴言・態度)の改善ノートを書く。
問題行動(暴言・態度)の改善ノートの書き方は、以下の通り。
- 今まで注意された暴言や悪い態度を全て思い出してもらい、ノートに書く。
- そして、その時どうすればよかったかの正しい行動を書く。
- スタッフが確認し、書き漏れなど加筆修正をしてもらう。
- 事業所内の支援中に新たな問題が起こったら加筆修正を行う。
- 事業所内でノートに書かれている問題行動があれば、ノートに書かれた該当項目横に「正の字」などを書いてカウントしておく。カウント数が多い物が要注意行動なので特に意識させていく。
と言った感じです。
3. SSTを行う。
同様の問題を抱える利用者さんが増えつつあるので、対象者を集めSSTを行うと良いと思います。問題行動の事例一つ一つについて皆で正しい行動を学ぶなどがよろしいかと思います。
同様の問題を抱える利用者さんが増えつつあるので、対象者を集めSSTを行うと良いと思います。問題行動の事例一つ一つについて皆で正しい行動を学ぶなどがよろしいかと思います。
4. 軽作業で実際に上記の成果を確かめる。
軽作業では報連相を含む、暴言、問題行動を見る事が出来ます。
実践の場としてSさんに仕事をしてもらうとよろしいかと思います。
【参考】
20. 楽しさから仕事へ
当事業所の就労継続支援B型のコンセプトを書いておきます。「楽しさから仕事へ」
就労継続支援B型を利用する方の中には
- 仕事がなんなのか分からない
- 仕事にトラウマがある
- 何のために仕事をするのか分からない
という場合が多いです。
そのため、まずは仕事は楽しいものだということを意識してもらいます。その上で徐々に社会性を身に付け、大変な事もあるけどその分やりがいもあるという仕事意識へと移行していきます。
例えば、最初は週3回出勤のうち2回が本人にとって好きな仕事でも週1回は軽作業をやってもらったり、毎日清掃やSSTに参加してもらいます。
そして、徐々に移行し、いずれ週5回出勤、施設外就労への参加、事業所内は軽作業、たまに好きな仕事などを行うという形を目指していく感じです。
他にも利用者の中には一歩を踏み出せない方が多いので、利用のハードルを下げ、窓口を広くし、利用開始という一歩を踏み出しやすくするのも狙いの一つです。
SSTやパソコン作業を毎日導入したのも社会性を少しずつ身に付けられる環境整備、パソコンが毎日できる環境整備を作るためです。
ぜひ、「楽しさから仕事へ」を意識し、今それぞれのメンバーさんがどの程度まできているのか考え支援を行ってみて下さい。
方向性の指針を作る際も役立つと思います。
【参考】
21. 事例
Kさん検討内容:整容面を整えることができない。
支援のポイントと方向性
私たちが自然に身に付いたことがメンバーさんの中には身に付いていないことがあります。今回のKさんだと「ちゃんとお風呂に入る」、「髪をシャンプーでしっかり洗う」といってもどうやれば「ちゃんと」や「しっかり」になるのか分からないパターンがあります。
実際に動画を見ながら洗うマネをするなどした方がいいかもしれません。
22. 事例
Sさん検討内容:事業所内に持ってくる持ち物が多い。
支援のポイントと方向性
過去に別事業所でもこのケースがありました。就労移行支援事業所を利用し一般就労を目指していたCさんと言う方がいたのですが、ゲームやイラストなど持ち物が多い方でした。
Cさんは障がい者の合同面接会(ホテルや体育館などを借りて、多数の企業が集まる面接会のこと。障害のある求職者は気になる企業のブースに行って面接を受ける。新卒の中途の合同企業説明会とは違い、障がい者限定で、面接がその場で受けられるのが大きな特徴)の時も、カバンをパンパンにしてきたのですが、重さに負けてしまい、面接会場では座っていることが多くカバンを預ける事態となりました。
このことからも、全員、仕事に必要な物を持ってくる。仕事に必要ない物は持ってこないということを周知してもいいかもしれません(例えば筆記用具はいるとか、高額な現金は持ってこないとガイドラインには書いていますが細かくは書いていないので)
Cさんは障がい者の合同面接会(ホテルや体育館などを借りて、多数の企業が集まる面接会のこと。障害のある求職者は気になる企業のブースに行って面接を受ける。新卒の中途の合同企業説明会とは違い、障がい者限定で、面接がその場で受けられるのが大きな特徴)の時も、カバンをパンパンにしてきたのですが、重さに負けてしまい、面接会場では座っていることが多くカバンを預ける事態となりました。
このことからも、全員、仕事に必要な物を持ってくる。仕事に必要ない物は持ってこないということを周知してもいいかもしれません(例えば筆記用具はいるとか、高額な現金は持ってこないとガイドラインには書いていますが細かくは書いていないので)
23. 事例
Mさん就労継続支援B型事業所を2ヶ所併用利用者している方
相談内容:当事業所の出勤数を増やしたいと言ってきた(サービスの併用利用の場合、サービスの利用合計日数や利用の重複など色々兼ね合いがあり簡単に出勤が増やせない)
支援のポイントと方向性
- Mさんから相談支援事業所に出勤数を増やしたい事を相談してもらう
- 相談支援事業所が調整し、併用利用している事業所全てに連絡してもらう
- 当事業所の出勤数を実際に増やす
という流れになります。
項目1の相談してもらう、相談支援事業所に行ってもらう件についての日程調整などはスタッフが手伝っても問題ありません。あくまで「当事業所が言わせた」ではなく「自分自身で決めた」が対外的にも分かるようにするよう持って行ってみて下さい(誤解や問題になるため)
24. 良い事・悪い事を伝える順番
結論を言うと目的や期待する効果によって伝える順番を変えた方が良いです。各順番による効果をまとめると、
- 良い事を言ってから悪い事を伝える→効果:相手の行動を改めさせる場合
- 悪い事を言ってから良い事を伝える→効果:信頼関係を重視する場合(自分を良くみせる場合)
となります。
例としてわかりやすいのが健康診断です。例えば、健康診断の結果を医師から伝えられるときに、
- 「基本的に問題ないけど、血圧が少し高いから注意してね~」と言われた。
- 「血圧が少し高いけど、基本的に問題ありませんよ~」と言われた。
どうですか。1だと「少し気を付けるか~」って気になりませんかね。逆に2だと「問題ないって言われて良かった~」って感じで気を付けようと思わない感じがしませんかね。
これを知っていて支援に使用すると結構うまく伝わります。
例えば、相手の行動を改めさせる時(良い事→悪い事)の例だと
- 作業は一生懸命取り組んでいて問題ないけど、遅刻は注意しましょう
- 作業は問題なくできているので、次は継続できるようにしていきましょう
- トラブルがないのは素晴らしいですが、ストレスを溜めすぎないよう注意しましょう
のような感じです。
信頼関係を重視する時(悪い事→良い事)の例だと
- 遅刻はしてるけど、仕事は集中できていていいですね
- 波はあるけど、今日は調子が良くていいね
- 作業を覚えるのに時間はかかりますが、家でのご家族の協力もあり少しずつ覚えてきています
といった感じです。
是非、目的に合わせて伝える順番を意識してみて下さい。
【参考】
テストをやってみよう…!
以上で今年あった支援などのポイントは全てになります。
では、皆さんお待ちかね(?)のテストの時間がやって参りました。
勉強はしてきましたか?予習復習は万全ですか?
では下にテストがあります。
準備が出来次第、是非行ってみてください。
…。
……。
………。
なかなか意表を突く問題があったのではないでしょうか(デジャヴ感)
これで研修は終了です。
勉強はしてきましたか?予習復習は万全ですか?
では下にテストがあります。
準備が出来次第、是非行ってみてください。
…。
……。
………。
なかなか意表を突く問題があったのではないでしょうか(デジャヴ感)
これで研修は終了です。
なんであんなテストなの…?
以前にも書きましたが、大事な事なんで以下に引用しておきます。実際の研修前にはテストをより強調した形で話した後に復習を開始しました。
理由は至って簡単。真剣に参加してほしかったからです。つまり、テストの内容はどうでもよかったんですよね~。もう最初にテストがあると話し復習を真剣にしてもらっていた時点で目的は達成できていたので(笑)
実際、研修を真剣に参加するというのは当たり前で皆に言っても分かっていますと返ってくるのがオチですよね。でも、実際どうして、真剣に参加は結構難しいんですよね~。眠くなりますし(笑)
そこで社外研修ではできない方法として社内研修では「最後にテストがあります…!」と伝えて行いました。実際、メモを取ったりと皆真剣に参加していましたね。そして、テストの内容の通り、自分に聞いて知ってほしかったのは「テスト」と言われなくても言われた時と真剣度が同じだったかということです。
実社会では学校のように重要な部分の文字色を変えてなんてくれません。ここテストにでるよ~と教えてくれる人もいません。そもそもはっきりとテストだというシーンは資格取得の試験などは別として仕事の場面ではほとんどありませんし教えてくれません。
つまり、全て自分で見極める必要があるんです。自分で重要な部分を見つけ、テストと同じような大事な場面はこれだと気付く必要があるんです。
障がい福祉で考えると、利用者の少しの変化に気付くのも重要です。その時どのテクニックを使うか、見直すためにメモが必要です。
普段の意識の違いである時気付くと結果大きく成長した人とそうでない人がいるのは利用者でみたことがありますよね。あれ、スタッフも同じことが当然起こります。
それらを知ってもらうために今回テストを用意させてもらいました。
実際、研修を真剣に参加するというのは当たり前で皆に言っても分かっていますと返ってくるのがオチですよね。でも、実際どうして、真剣に参加は結構難しいんですよね~。眠くなりますし(笑)
そこで社外研修ではできない方法として社内研修では「最後にテストがあります…!」と伝えて行いました。実際、メモを取ったりと皆真剣に参加していましたね。そして、テストの内容の通り、自分に聞いて知ってほしかったのは「テスト」と言われなくても言われた時と真剣度が同じだったかということです。
実社会では学校のように重要な部分の文字色を変えてなんてくれません。ここテストにでるよ~と教えてくれる人もいません。そもそもはっきりとテストだというシーンは資格取得の試験などは別として仕事の場面ではほとんどありませんし教えてくれません。
つまり、全て自分で見極める必要があるんです。自分で重要な部分を見つけ、テストと同じような大事な場面はこれだと気付く必要があるんです。
障がい福祉で考えると、利用者の少しの変化に気付くのも重要です。その時どのテクニックを使うか、見直すためにメモが必要です。
普段の意識の違いである時気付くと結果大きく成長した人とそうでない人がいるのは利用者でみたことがありますよね。あれ、スタッフも同じことが当然起こります。
それらを知ってもらうために今回テストを用意させてもらいました。
ということで、2記事にまたぐ長文でしたがいかがでしたでしょうか…?
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
少しでも支援のヒントになれば幸いです。