ダイエットにはカロリー計算が大事…!というのは言わずもがなでしょう。
なんせ1日に摂取するカロリーよりも多くのカロリーを消費することがダイエット成功の一番のポイントですからね…。
じゃあ、どれぐらいカロリーを減らせばどれぐらい痩せるんだ…?ってことで、よく言われるのが「3500kcalルール」です。
ただこれ、あんま最近では指示されていないんですよね~。ってことで今回はその辺の話をしていきます。



「3500kcalルール」ってなに…?

「3500kcalルール」の始まりは1958年の研究でして、どれぐらいカロリーを減らせばどれぐらい痩せるんだってのを調べたものとなっております。
んで名前の通り、3500kcalルールは、3500kcalのカロリー不足で体重が1ポンド減るぞ…!っていう法則のことを言います。1ポンドは453.5…gのことなんで、ここから3500kcalを消費すれば450gぐらいの減量効果となるって感じですな。
この法則を基にカロリー制限ダイエットなんかでは、

  • 1日のカロリー摂取量を500kcal少なくしましょう。
  • そうすれば、1日で約64g、1週間で約450g、1ヶ月で約2kg弱痩せます…!

って感じでアピールしていたりも…。
非常にわかりやすい基準ということもあり、長らくこの法則は使われてきておりましたが、近年は支持者はだいぶ減っております。
その理由はいくつかあるんですが、例えば、時間経過に伴う体重の変化に対応していないという弱点がございます。というのも上記の研究は短期間のカロリー制限ダイエットで得られたデータに基づいているんですよね。だからずーっと続けた場合どうなるのかは分からないんですな。
また、運動によるカロリーの増減にも対応しておりません。そのため、食事制限+運動みたいなオーソドックスなダイエット法を実践した場合、上記ルールが当てはまらないという弱点もございます。
まとめますと、

  1. ダイエットにはカロリー計算が大事…!
  2. 良く使われるのが「3500kcalルール」…!
  3. 「3500kcalルール」とは、3500kcalを消費すれば450gぐらい痩せるってこと…!
  4. だけど「3500kcalルール」って正しいの…?

って感じになります。
次にこの「3500kcalルール」が正しいのか調べた研究を見ていきます。



今ではあんま「3500kcalルール」は信用されていない…。ではオススメの計算方法はあるのか…?

上記に書いた通り、今ではあんま「3500kcalルール」は信用されていないんですが、この辺をもう少し詳しく見ておきましょう。
2013年のモントクレア州立大学の研究によると、「3500kcalルール」は実際どうなのか調べてみたそうです。
そもそも3500kcal減らすと1ポンド(約0.45kg)の体重減少が生じるって考え方は、非常に広まっておりまして、なんでも35,000件を超える減量系のWebサイトから複数の栄養学の教科書、科学論文、専門家のガイドラインにまで引用されまくっているんだそうな。その理由は研究者曰く、おそらく「3500kcalルール」は単純で簡単な計算だからじゃないか…?ってことです。
では、これがどの程度正しいのかってことで、今回、先行研究7件のデータを用いて調べることにしてみたんだとか。7件の研究の総サンプル数は成人103名(男性71名、女性32名)でして、スタート時の平均体重は82.1±22.0kg、スタート時の1日の平均カロリー摂取量は2876±484kcalだったらしい。また参加者の目標カロリー摂取量は1日1409±569kcal、平均カロリー不足量は1日1439±784kcalだったとのこと。実験期間は64.8±23.6日で範囲は31日~93日の間だったそうです。
結果、

  • ほとんどの参加者は「3500kcalルール」によって予測される体重減少効果よりも、大幅に少ない体重減少効果だった…!

とのこと。
3500kcalルールではこんなに痩せる…!って出ていたのに実際はそれよりも大分少ない重さしか痩せなかったと。
因みにもうちょい具体的な数値を見てみますと、

  • 3500kcalルール→12.5±7.2kg(27.6±16.0ポンド)痩せる…!
  • 実際→9.1±5.1kg(20.1±11.3ポンド)しか痩せなかった…。
  • つまり3.3±5.7kg(7.4±12.6ポンド)も多く痩せると見積もっていた…!

って感じ。この差はデカいな~。
この結果に研究者も、

  • 私たちの分析では、3500kcalルールが体重減少の大きさを大幅に過大評価していることを示唆している

としています。

因みに2013年のアメリカ国立衛生研究所の研究も上記の研究結果を指示しておりまして、一部修正点がありつつも、「3500kcalルール」を使うと減量効果が過大に見積もって出てしまうとしています。

以上から「3500kcalルール」があんまり信用できない、使えないと分かりました。
では、どうやってカロリー計算をすればいいのか…?ってことでモントクレア州立大学の研究者が代わりのおすすめシミュレーションをご紹介しております
次はそちらをチェックしておきましょう…!



カロリー計算におすすめな「減量予測計算機」

カロリー計算におすすめなシミュレーターとして挙がっていたのがルイジアナ州立大学ペニントン生物医学研究センターが提供している「減量予測計算機」になります。
使い方は簡単で上記のリンクをクリック又はタップしてページを開いていただき、必要事項を入力してボタンを押すだけです。
んで入力については、以下を参考にしていただけるとよろしいかと。


適当に入力してみると↓な感じ。


グラフの線にマウスポインタを合わせると何日で何キログラムと予想されるって出てきますんで、入力が終わったらお試しください。
例えば上記のグラフで30日後にマウスポインタを合わせると予想が64.1kgと出ていました。1日300kcalで30日後、つまり9000kcal減らすと900g痩せるって感じですな。比較として3500kcalルールだと7000kcal減らすと900g痩せる計算なんで、誤差は2000kcalですね。この設定でも2000kcal多く減らさないと見積もりと違ってくるのはきつい…。



カロリー計算におすすめな「体重プランナー」

カロリー計算におすすめなシミュレーターとしてアメリカ国立衛生研究所(NIH)が提供している「体重プランナー」というものがございます。
こちらは入力が多いのでゆっくり説明していきますねー。

①まずは「Launch the Body Weight Planner」をクリック又はタップしてページを開いてください。

②開いたら「Metric Units」をクリック又はタップします。


③クリック又はタップすると、ポンドやフィート、インチ計算ではなく、私たちになじみのある、キログラムやセンチメートルになります。


④現在の体重、性別、年齢、身長を入力します。普段の身体活動レベル(普段どれぐらい運動しているか…?)を入れるため、「Estimate Your Level」をクリック又はタップします。


⑤すると以下の画面が出てきますので、職場や学校でどれぐらい体を動かすか、余暇(休日)にどれぐらい体を動かすかを選びます。


⑥まずは職場や学校です。最も近い物を選びます。


⑦次に余暇(休日)です。最も近い物を選びます。


⑧選んだら「Save」をクリック又はタップします。すると以下の画像のように身体活動レベル(この場合「1.6」)が入ります。身体活動レベルの数字が入ったら「Next Step」をクリック又はタップします。


⑨次に目標体重、何日後に目標体重に到達したいか?又は日付を入れます。入れたら「Next Step」をクリック又はタップします。


⑩これからどれぐらい運動を増やす(減らす)つもりなのかを入力します。パーセントで入力するんですが、まずは「Calculate」をクリック又はタップします。


⑪ここでは運動を「増やすor減らす」、「どんな運動を」、「何分間」、「何回」、「日or週」で選んでいきます。


⑫まずは運動を追加する(増やす)のか、減らすのか選びます。


⑬次に、どんな運動を行うのか選びます。


⑭何分間か選びます。


⑮何回か選びます。


⑯1日単位で考えるのか、1週間単位で考えるのかを選びます。


⑰5か所を入れ終わると運動レベルが何パーセントなのか出てきます(下記例だと「48%」)。最後に「Save」をクリック又はタップします。


⑱運動レベルのパーセントが入力された状態になるので「Next Step」をクリック又はタップします。


⑲キロジュール表示なので、なじみのあるカロリー表示に変更します。「Calories」をクリック又はタップします。


⑳カロリー表示で結果が見れます。3つの項目の内容については下記をご覧ください。



因みに上記⑳の画面の右側には達成するためのアドバイス的な物が書いてありますので気になる方はそちらも併せてご覧ください。
また、上記⑳の「Expert Mode」をクリック又はタップすると、もっと詳しい情報が出てきます。例えば、体重や体脂肪率の変化をグラフ化したシミュレーションや表(例は下記画像参照)は参考になるかと思いますので気になる方はそちらもご覧ください。



「体重プランナー」の説明は以上となります。
こちらは「減量予測計算機」よりも入力が多くて大変ですが、その分ダイエットを絶対成功させたい…!って方にはオススメです。



個人的考察

「3500kcalルール」は簡単に計算できますが、それ故、間違った数字が出てしまい結果とズレが出てしまってダイエットの失敗率が格段にアップしてしまいます。
そのため、「減量予測計算機」か「体重プランナー」を使ってしっかりカロリー管理をしていくことをおすすめします。