先週の続きです
引き続き音楽(BGM)のメリットを調べた研究を見ていきます。



ストレスが起こる出来事の前に音楽を聴くと効果的…!

2002年のイェール大学RCTによると、手術前の患者の不安に音楽が効果的なのか調べてみたそうです。
この研究は、麻酔と手術を受ける予定の18~65歳の患者さん93名を対象にしたもので、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. 音楽グループ:麻酔と手術前に30分間音楽を聴いてもらった(48名)
  2. コントロールグループ:普通に過ごしてもらった(45名)

因みに音楽はヘッドフォンを用いて聴いてもらったそうです。
併せて、実験前、実験中、実験後の不安感や心拍数、血圧、コルチゾールカテコールアミンなんかをチェックしてみたとのこと。
最後に集まったデータを見てみた結果、以下のようになったそうです。

  • 音楽グループはコントロールグループに比べ、不安レベルが有意に低かった…!
  • 音楽グループの参加者の不安レベルは音楽を聴く前と聴いた後で16%も減少していた…!
  • コントロールグループの参加者の不安レベルに大きな変化はなかった。
  • 音楽を聴いた後も、収縮期血圧や拡張期血圧に有意差はなく、コルチゾール、カテコー​​ルアミンも大幅に変化しなかった。

やっぱ音楽はストレスを感じる前に聴くと良さそうですねー。



ストレスが起こる出来事の後に音楽を聴いても効果的…!

2006年のマルセイユ大学の研究によると、心理的ストレスに音楽は有効なのか調べてみたそうです。
この研究は24人の学生が参加したもので、最初に全員の唾液に含まれるコルチゾールをチェックしたそうな。続いて以下の2グループに分かれてもらいストレステスト(心理的ストレスのかかる作業)を行ってもらったらしい。

  1. リラックスできる音楽が流れる場所でストレステストを行う。
  2. 無音でストレステストを行う。

併せて、テスト中にも定期的にコルチゾールをチェックしたとのこと。
最後にデータを比較してみた結果、

  • リラックスできる音楽が流れる場所でストレステストを行うと、ストレス終了後にコルチゾールレベルの増加が止まった…!
  • 無音でストレステストを行うと、ストレス終了後の30分間、コルチゾールレベルが増加し続けていた…!

みたい。
つまり、音楽を聴く事によって心理的ストレス後ちゃんとコルチゾールが元に戻っていくってことですな。コルチゾールが高止まりし続けないってのは慢性ストレスを溜めない大事なポイントなんで、ストレス後に音楽を聴くのも良さそうですねー。