先週の続きです
今回も引き続き運動が軽度認知障害や認知症に良いのか見ていきます。


軽度認知障害や認知症に認知トレーニング+運動は効果的…!

2017年のラドバウド大学の研究によると、軽度認知障害や認知症のある高齢者を対象に認知トレーニング+運動が効果的なのかメタ分析を用いて調べてみたそうです。
ということでまず研究者たちは、1976年6月から2017年2月までに発表された該当研究をデータベースを用いて検索してみたそうな。すると1,687件もの研究がヒットしたとのこと。
次にこの中から質の高い研究をピックアップしていったそうで、最終的に基準を満たしたものは10件だったとのこと。
この10件は全てランダム化比較試験だったそうで、これらを用いてメタ分析にかけてみたらしい。
その結果、

  • 軽度認知障害や認知症のある高齢者が認知トレーニング+運動を行うと小~中程度のプラスの効果(SMD=0.32)があった…!

とのこと。
やっぱり運動は脳に良いみたいですねー。
細かく見てみますと、

  • 認知症の方が認知トレーニング+運動を行うとプラスの効果(SMD=0.36)があった…!
  • 軽度認知障害の方が認知トレーニング+運動を行うとプラスの効果(SMD=0.39)があった…!

そうです。
認知症の人はもちろん、認知症になりかけている人にも効果があったのは嬉しいですな。
更に認知トレーニング+運動の介入後には、

  • 日常生活動作(ADL)に中~大程度のプラスの効果(SMD=0.65)があった…!
  • 気分に小~中程度のプラスの効果(SMD=0.27)があった…!

みたい。
日常生活に最低限必要な動作が大きく改善し、気分も良くなったってのは嬉しいですね~。



個人的考察

2006年のマギル大学の研究によると、軽度認知障害は、正常な認知機能から認知症に移行している段階を指すそうで、日常生活動作(ADL)に目立った支障はないものの、加齢による認知機能の衰えを考慮しても明らかに大きく認知機能が低下しているって特徴があるんだとか。つまり、狭間な状態・認知症一歩手前な状態、認知症予備軍って感じです。
この状態でも認知トレーニングと運動を組み合わせることで改善するって言うんだから、やっぱり日ごろから意識して行っていきたいですなー。



参考文献