腸脳軸(GBA)のところで「視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸」ってのが出てきましたが、まだちゃんと説明していなかったんで、今回はここんところを見ていきます。



HPA軸(視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸)ってなに…?

2002年のアテネ大学の研究によると、HPA軸についてレビューしてみたそうです。
まずHPA軸(視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸)とは、脳の視床下部と下垂体と副腎の総称でして、あらゆる種類のストレスに対する人体の反応を調整する軸だと考えられております。つまりHPA軸のシステムによってストレスの調整やホルモンの調整をしているって感じですな。
その流れをざっくり説明しますと、

  1. ストレスにさらされる
  2. 炎症性サイトカインが上昇
  3. 視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が分泌される
  4. 下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌される
  5. 副腎からコルチゾールが分泌される

って感じ。
神経伝達とホルモン伝達が一連の流れに沿ってストレスに対して反応しております。
なんかこれをみるとすんごい悪い流れが起きている感じに見えますが、以前にも書いた通り、ストレスイコール悪者ではありませんし、人間にとって必要な機能なんですよね。ストレスが活性化することにより、人間のパフォーマンス(集中力など)はアップしまして、そのおかげで生存の可能性を高めることができたんですな。
しかし、これが慢性化(慢性ストレス)すると、常にこの流れが動くことになるんで、ストレスによるダメージで心も体もガタガタになっちゃいます。つまり、HPA軸が慢性ストレスにやられてしまい、ホルモンバランスがグダグダになったと言えます。



個人的考察

ストレス調整システムであるHPA軸は腸内細菌の影響を受けることが分かっております。腸脳軸(GBA)、つまり腸と脳の相互コミュニケーションに関わっているってことですね。
腸内細菌は迷走神経を使って脳に指令を出しますが、指令先にはHPA軸も含まれておりますんで、腸内環境の悪化や改善がメンタルの悪化や改善と関係しているんですな。
なんで、HPA軸が正常に動く為にもストレス対策や腸内環境改善が重要になってきます。



参考文献