今回は、前回のブログで書いた「少年院での調査研究に従事・診療を行っている医学博士から学ぶ動機や対策について その1」の続きになります。



前回のおさらい

前回の内容の要点を軽くまとめますと、


  • 子どもの犯罪は極端な自己対処の果てに起こる
  • 理由は友だちがうまく作れなかったり、嫌いなことをしなければいけなかったり、忙しくて脳内飽和が起きているため
  • 飽和状態のサインとして犯罪行為などが挙げられる
  • 犯罪行為という自己主張の歪曲化した表現の裏には自分はダメな人間なんだという気持ちも持ち合わせている

といったところでしょうか。
今回は「じゃあ、どうすればいいの…?」っていうことで、具体的な対策や支援方法について書いていきたいと思います。



健康な生活

兎にも角にもまずは健康な生活が第一です。具体的には、

食事
睡眠→7H寝る
運動→畑の参加の重要性

が大事ということ。あれ、これってパl…っとこの話を書くとかな~り長くなるので端折りますが、要は生活の基礎・基本が大事ってことですね。睡眠について医学博士は7時間寝ることを推奨していましたが、以前のブログに書いた通り、ベストな睡眠時間は個人差があり、睡眠は量より質が大事だと研究で出ているため、ここについては少し意見が私とは違う感じ。とはいえ、睡眠時間が極端に短い場合や不眠、徹夜が悪いのは間違いないところ。気を付けるに越したことはないと思います。もし、寝られないという方がいた場合は認知シャッフル睡眠法をオススメします。

食事についても食事の時間や食べ物の内容など気を付けるべき点がありすぎてここに書き記せるような量のジャンルではないのでおいおい書いていくとして、とりあえず、今ここで書いておきたいのは、人間の体内時計は、朝日と食事でリセットされるということ。つまり、決まった時間に食事はとった方が良いということです。

運動については農福連携の時にも書きましたが、メンタル改善や悪化防止に役立つのは間違いないので是非、ウォーキングぐらいからでいいのでしていくのがよろしいかと思います。


実践(実際)は常に応用問題(流動的)なのですが、基礎基本ができていないと解けないのは当たり前なのでまずは上記基礎基本を固めたいところです。とはいえ、分かっていても出来ないのが人間なので、その辺のフォローは大事かと。
高層マンションを建てるときと同じで土台作り(健康な生活)をしっかり作らないと、地震(ストレスのたまること)がきたらすぐ崩れてしまいます(メンタル悪化)ですので、焦らず、時間をかけてまずは土台作りをしていきましょう



安心安全の確保と見守り

医学博士のお話によると、安心安全がまず必要であるということ。確かにこれがないとすぐグラグラきてしまいますもんね~。あと見守りも重要だと話していました。これも納得できる話で、例えば私たちの仕事でもこれは重要かと思います。どういうことかというと、


  • 仕事で挑戦したいことを見守る、任せてやらせてみる
  • 途中で口出ししない
  • 但し、上司が責任はとるようにしておくと安心感を与えられる


このようにしてもらえるとのびのび挑戦できると思います。つまり、モチベーションが上がり、嫌いになることを防げるということですね。



伝え方を学ぶ

これは子ども(障がい者)ではなく支援者側に求められること。伝え方が悪いのに理解力がないって形で片づけてしまうのは良くないのでしっかりトークスキルを学ぶ必要性があるのは私も同感です。医学博士はポイントとして、


  • 簡潔に
  • 結論から
  • 正確に
  • 繰り返し
  • 主語をつけて話す
  • 分かりやすい説明を意識する


のが大事だと言っていました。このあたりは当ブログの早口会話のテンポ端的に相手へわかりやすく伝える方法なんかをご覧いただくと参考になるかと思います。



自己肯定感を増やしてあげよう

マズローの5段階欲求承認は非常に大事で、承認の貯金(心の貯金)をしてあげようと医学博士は話されていました。また、貯金額は人によって違うということで、例えば、一番認めてもらいたいのが母親だとしたら支援者の承認1回は100円分の貯金だが、母親の承認1回は1万円分の貯金になるということ。これも非常にわかる話で自己肯定感を増やしてあげると(貯金をすると)、少しずつたまっていきます。つまり、少しずつ、自信が持てるようになるということですね。また、自己肯定感が増えれば自然と余裕を持つこともできるようになるのも重要だと思いました。

他にもラドバウド大学の研究によると、自信がない、つまり不安だとIQが下がってしまうらしいので、下がったIQで後先考えずに犯罪を犯すなんてことも考えられます。周囲が承認をするのは非常に大事だとこのことからもいえるかと思います。

自己肯定感(自信)のつけ方についてはこちらのブログを参照していただくのがよろしいかと思います。


背伸びしない・無理しない

背伸びをしないことも大事だと話されていました。私はこれをあるがままを受け入れる。つまり、セルフコンパッションが重要だな~と思って聞いていました。

また、「頑張る」から「踏ん張る」へ考え方を変えることも重要だと話していました。これは飽和状態を超えてしまうと不安定になるので安定感を出すようにした方が良いということでした。これも納得いく話で常にマックス状態でそれ以上求めてやったりしていたらいつか潰れてしまいますもんね~。HDDもそうですがある程度の余裕を残しておいた方がスムーズに動きますからそれと同じ感じですよね。



問題の根を探るのが重要

問題を一つ一つ解決していくことで他のことが芋づる式によくなっていくと話されていました。要は負のスパイラルから脱却し、逆回転させ、正のスパイラルにしていこうって話です。これも良くわかる話ですが、その逆回転を無理矢理でも正の方向に回すのが大変なんですよね~。

そもそもどうして負のスパイラルになるかというと、小さな問題のうちに解決すればいい物を気付けず、又は気付いても先延ばしして放置し、問題が大きくなってから初めて気付く、又はまとめて解決しようとして結局解決できずといった形になるからですよね。

私はこれをよくトカゲで例えます。小さいトカゲ(小さい問題)のうちに倒さずに(問題を解決せずに)大きなトカゲ(大きな問題)になってから解決しようとするが大きさに圧倒され、更に本体(問題の原因)を叩かず(解決せず)にトカゲのしっぽ切り(根本の問題から派生した小さな問題だけ解決する)だけしているときがあります。尻尾はまた生えてきますので(問題は復活しますので)問題そのものは解決しません。結果、小さな問題の解決を何度もすることになり、次第に疲れてきてしまうんですよね~。

更に放置しておくと最後はドラゴン(大問題)に成長します。そうなるともう大変。尻尾を切ろうにも空は飛んでいるから届かなくなるし、火は吹くしで手が付けられなくなる(解決が難しくなる)んですよね。

予防対策としては、やはり常に気付けるようにアンテナを張っておくのが重要かと思います。また、先延ばし対策も重要です。もし問題が起きても先延ばしさえしなければ小さな問題なのですぐに解決できます。

次に、ドラゴンになると厄介なのは言うまでもありませんが、大きなトカゲの場合は本体を叩く、つまり問題の根本を叩くのが重要ではないかと思います。ドラゴンも大きなトカゲの場合もそうですが、これは小さな問題の集合体です。つまり、イワシの大群がまるで巨大魚に見えるかの如き大きさなわけで一匹一匹にフォーカスしてみるとただのイワシです。つまり小さな解決できる問題です。大きさに惑わされずに問題を分解していき、問題の根本を叩くのがよろしいかと思います。

ドラゴンの場合はまずそもそも本体に届かないので、翼を切って飛べなくし、火を吹けないよう口を縛って、動けないよう手足にダメージを与えてから本体を叩きます。つまり、少年院に入ったような場合などのような大きな問題の場合は本人をすぐに社会に適応できるようにするのではなく、先程挙げたような食事や睡眠、運動などから手を付けていき、正のスパイラルにして、その果てに社会に適応できるようになってもらうといった形がいいのではないかと思います。



個人的考察

前回同様、個人的考察を合間に入れてみました。
長くなったので今回はここまで。
次回に続きます。