やりたくないこと(必要な事)に取り掛かる方法が知りたいって要望があったので今回は先延ばし対策について書きたいと思います。



先延ばしの失敗例。皆さんも一度はこんな経験ありませんか…?

テストが近づいてくるとなぜか部屋の片づけがしたくなる…。
普段は部屋の片づけなんてしないのに…。
勉強しなきゃいけないのに部屋の片づけなんかしている暇なんてないのに…。
皆さんもこんな経験したことはないでしょうか…?
私が思うに一度は通る道ではないかと…。あ、もちろん私も通りました(笑)

テスト勉強なんてやりたくないことだけど、必要なことはわかっている。
でも、先延ばししてしまうのが人間というもの。

先延ばしの例としては一番わかりやすいのではないでしょうか…?

因みにテスト前の部屋を片付ける行為などは「セルフ・ハンディキャッピング」というらしいです。あれって名前がついていたんですね…。

社会人になると定期テストは基本的にありませんが締め切りは存在し、やはり先延ばし問題は出てきます。


今回はこの先延ばしを掘り下げていきます。



なぜ先延ばしは起こるのか…?

先延ばしの原因は様々なものが挙げられると思いますが、調べてみると一番の原因は、

  • 完璧主義
  • 自己批判

の2つが先延ばしの原因ということです。
どういうことか詳しく見ていきましょう。

  1. 完璧主義の為、目標や計画も完璧に作り、こなしたいと思う
  2. 完璧な目標、完璧な計画を目指すためなかなかスタートできない
  3. 結果、先延ばししてしまう
  4. 先延ばしをしたことにより完璧だった目標や計画が完璧でなくなってしまう
  5. 又は先延ばしで時間が無くなり、満足いく結果が得られなくなる
  6. 自分はなんてダメなやつなんだ!と自己批判に陥る
  7. 前回より更に完璧な目標や計画を作ろうとする

というまさに完璧主義と自己批判がループして先延ばしがどんどんひどくなってしまうんですよね。こうなるともう大変ですよね。

じゃあ、どうしたらいいかというと…。



完璧主義と自己批判対策

まず完璧主義と自己批判の対策ですが、これはセルフコンパッションが有効であると考えられています。セルフコンパッションとはあるがままを受け入れることです。人間ミスはあるよ。まぁトラブルはつきものだしね~のような感じで起こった出来事をあるがままに受け入れることによって完璧主義と自己批判からの脱却が狙えます。

更に完璧主義と自己批判になりがちな方はセルフコントロールが低い傾向にあります。
セルフコントロール(自制の力)を高めるには意志力(will power)を鍛えることが重要になってきます。以前にセルフコントロール・意志力については紹介していますので詳しくはそちらをご覧ください


では、一番の原因である完璧主義と自己批判の対策を紹介しましたので、次に先延ばしの対策に入っていきたいと思います。



やっぱりif-thenプランニングが基本

以前に計画のところでもおなじようなことを言いましたが、先延ばし対策についてもやっぱり同様でif-thenプランニングが基本になります。
なんだったっけ?って方もいるかもしれませんので復習しておくとif-thenプランニングとは、

  • 「もしAが起きたらBをやる」
  • 「もし○○(状況)の時○○の行動をとる」

ということを、事前に考えておくことをいいます。
もし先延ばしをしそうになった時はこれをやる…!ってあらかじめ決めておくって感じですね。これで先延ばししそうになった時、留まったり、誘惑に勝てる可能性が増えます。

では、これをやる…!の「これ(B)」は何が良いのでしょうか。
こちらもオススメがあってまとめると、

  • やった成果では無くゴールまであとどれくらいかを見る
  • 累積型が良い
  • セーブポイントは小まめに用意する

を「これ(B)」とした方が良いと思います。
詳しく説明していきます。

まず、やった成果よりゴールまであとどれぐらいかを見るというのはマラソンをイメージするのが良いかと思います。例えばマラソンを走っているとき、

  • ①→9km走った…!
  • ②→残り1kmで終わりだ…!

と考えた時どっちがモチベーションが上がるでしょうか?
②は終わりがはっきり見えているのでモチベーションが上がりませんかね。人間は終わりが見えないと不安になったりモチベーションが低下するのですが、あとこれだけやればいい!というように終わりがみえるとやる気になるんですよね~。
つまり、あと少しだし終わらしてしまおう!ってなるんです。そのため、「これ(B)」にはあと○○で終わりだというのを確認する!というのがよろしいかと思います。


次に累積型が良いというのはポイントカードを例に考えるとわかりやすいかと思います。
例えば、

  • ①→500円で1ポイントたまります。10ポイントたまったら1000円のクーポン券がもらえます。
  • ②→5000円の商品を買うと1000円のクーポン券がもらえます。

というのがあったとします。②の場合、一気に5000円でほしい物があればいいのですが、もし、なかった場合諦めてしまいますよね。でも、①の場合だと500円で1ポイントがもらえてためることができるのであればいつかは10ポイントに到達できますよね。つまり、一発で全て終わらせるような方法やリセットされるような形ではなく、前に進んでいる感覚がわかるような形にしてそれを「これ(B)」にして確認するのがよろしいかと思います。


最後にセーブポイントは小まめに用意する理由ですが、上記と同じく、一気にやる!だとスタートでまとまった時間が~とか考え、二の足を踏んでしまうので、中間セーブポイントをたくさん用意してちょこちょこ進んでいけるようにします。これはゲームが分かりやすいと思います。もし、

  • ①→セーブポイントが一切ないダンジョンのボスを倒しに行く
  • ②→セーブポイントが複数あるダンジョンのボスを倒しに行く

とした場合、どっちが行きやすいかというと②だと思うんですよね。理由はやはり積み上げた苦労が水の泡になる可能性があると失敗しないように準備をしてから行くため、行くのが遅くなります。しかし、②だとセーブして進んでいけるため、そこまで進めば苦労は報われますからセーブポイントまでの力が付けばすぐにダンジョンに行けると思います。
つまり、「これ(B)」は小まめに用意したセーブポイントを確認すればよろしいかと思います。
スティーブン・R・コヴィーさんの名著「7つの習慣 人格主義の回復」でもセーブポイントは小まめにしていく(目標を小さいゴールに分解していく)方法が推奨されていますしね~。



ADHDの専門家による先延ばし対策

2018年のPsych Centralのタルタコフスキーさんが書いた内容によると、ハーバード大学のオリバルディア博士は先延ばし対策として、

  • 小さいゴールを設定する
  • 作業の優先順位を決める
  • 本当に楽しいタスクに集中する
  • 先延ばししたあとの感覚を想像する
  • とりあえず15分だけやってみる
  • 自分のベストな時間帯を知る
  • 時間を計る
  • 習慣化する

を挙げていたそうです。先程と重複している内容もあるかと思います。
少しでも、上記を組み入れられるとより先延ばしを防止できるのではないでしょうか…?



個人的考察

先延ばしはそもそも「手を付けることが億劫になっているだけ」だと思うので一度手を付けさえすればあとは自ずと進んでいくと思います。最初に手を付けるきっかけづくりとして上記テクニックが少しでも役に立てばと思います。



参考文献

https://psychcentral.com/blog/adhd-experts-reveal-their-favorite-ways-to-manage-procrastination/