先週の続きです
今回でコンプレッションウェアの効果を調べた研究を見るのもラストです。
最後は、コンプレッションウェアの効果の根拠となっている血流量に焦点を当てた質の高い研究を見ていきます。


メタ分析・系統的レビューを用いてコンプレッションウェアで血流が変わるのか様々なタイミングで調べてみた…!

2023年のビクトリア大学メタ分析・系統的レビューによると、コンプレッションウェアで血流が変わるのか様々なタイミングで調べてみたそうです。
そもそも従来から言われておりますコンプレッションウェアのメリットの根底には血流量の変化が関係している可能性が高いんですよね。
そこで研究者たちは、

  1. 安静時・運動前
  2. 運動中
  3. 運動終了直後
  4. 運動後の回復期間中

っていうそれぞれのタイミングで血流量がどう変化しているのか測定した研究結果をまとめてみることにしたんだとか。
まず該当する研究をピックアップするべくScopusやSPORTDiscus、PubMed(MEDLINE)なんかのデータベースを用いて先行研究を検索してみたそうな。その結果、899件もの研究が見つかったとのこと。
続いてこの中から基準を満たす質の高い研究を精査していったそうで、最終的には22件の研究が選ばれたらしい。
この22件の研究をメタ分析にかけてみた結果、コンプレッションウェアを着ると、

  • 全体の末梢血流(SMD=0.32)、静脈血流(SMD=0.37)、動脈血流(SMD=0.30)の全てで小さな効果があった…!
  • 安静時・運動前においては、末梢血流(SMD=0.18)は効果なし、静脈血流(SMD=0.31)は小さな効果あり、動脈血流(SMD=0.12)は効果なしだった…!
  • 運動中のおいては、末梢血流(SMD=0.44)、静脈血流(SMD=0.48)、動脈血流(SMD=0.44)の全てで小さな効果があった…!
  • 運動終了直後においては、末梢血流(SMD=-0.04)、静脈血流(SMD=-0.41)、動脈血流(SMD=0.12)の全てで効果なし又は逆効果だった…!
  • 運動後の回復期間中においては、末梢血流(SMD=0.25)は効果なし、静脈血流(SMD=0.67)は中程度の効果あり、動脈血流(SMD=0.02)は効果なしだった…!

って感じだったそう。
う~ん…。やっぱパッとしない結果ですね。
確かに効果のあるタイミングや血管もありますが、意味なし、逆効果ってのもあったんで、あんま期待できないかも。それにプラセボを作れないんでバイアスリスクも高そうですし…。



個人的考察

今まで様々なコンプレッションウェアの研究を見てきましたが、個人的な感想としては、まぁ、着たいなら着ても良いんじゃないのかな~って感じですかね。



参考文献