当ブログでは、メンタル安定・改善したいなら、とりあえず認知行動療法を行ってみてはどうですか…?って話を何度も書いております。だって数多くの研究で効果が実証されていますからね。一方で、その研究の多くは精神障がいの方を対象にしたものが多く、知的障がいの方を対象にしたものはほぼない感じなんですよ。
こういった問題は結構ありますので当ブログでは、


って感じで見てきております。いずれも研究数が少ない分野ではありますが、だからこそ貴重なデータと言えるんで確認しておいて損はないかと。
んで今回は、この話のつながりで、知的障がいの方を対象にした、認知療法・行動療法・認知行動療法の効果を調べた研究を見てみたいと思います。



知的障がいの方のうつ症状には認知療法がいいのか…?行動療法が良いのか…?

2013年のディーキン大学の研究によると、知的障がいの方の抑うつ症状に認知行動療法が有効なのか調べてみたそうです。
この研究は、軽度の知的障がい者70名を対象にしておりまして、以下の3つの方法を試してもらったそうな。


併せて、実験開始時と実験終了時、実験終了から6ヶ月後に、抑うつ症状と自動思考がどう変わったか評価してみたらしい。
最後にデータを見比べた結果、以下のようになっていたんだとか。

  • 認知療法・行動療法・認知行動療法のいずれの方法を用いても、明らかにうつ症状が改善していた(うつ病スコアが下がっていた)…!
  • うつ症状の改善に3つの方法の有意差はなかった…!
  • 認知行動療法は認知療法・行動療法よりも、自動思考が大幅に改善していた…!
  • 認知行動療法の自動思考改善効果は実験終了後も継続していた…!

どの方法もうつ症状には良いみたいだけど、自動思考に関しては認知行動療法が良さげだったみたいですな。
また、それぞれの効果の特徴についてもまとめてくれておりまして、

  • 認知行動療法→うつ症状や自動思考の改善という点で一番良さそう…!
  • 認知療法→長期的な改善に特に効果がありそう…!
  • 行動療法→短期的な改善に特に効果がありそう…!

とのこと。
両方やっておくに越したことはないけど、それぞれを詳しく見てみると、短期は行動療法、長期は認知療法が良い感じだったみたいですねー。



個人的考察

今回の研究から、


ってことを思いました。やっぱ認知行動療法はゴールドスタンダードだぜ…。
ということで是非、上記を踏まえつつ、コーピングレパートリーを作っていただけたらな~と思います。
それと認知行動療法を一から知りたい…!って方は「しせつちょうの社内研修」にある「認知行動療法を一から学ぼう!」シリーズをご覧ください。



参考文献