当ブログでは度々「認知行動療法」っていうテクニックが登場しております。
認知行動療法は認知の歪みを正すテクニックでして、考え方や捉え方を変えたり、行動して考え方を変えたりするテクニックです。その効果は、ゴールドスタンダードと言われるほど、確立されておりまして、医療・福祉、障がいの有無に関わらず様々な場面で使われております。
んがしかし、ここでちょっと困っちゃうのが実際に自分で勉強しようとすると範囲が広すぎてよく分からなくなってしまうこと。ましてやそれを実践するとなると結構骨が折れるんすよね。
過去に当事業所の社内研修でも1年間かけて勉強し、更にもう1年かけて復習して~ってのを行ったんですが、なかなかスタッフの支援スキルとして身に付き、活かされているかというと難しい感じでした。また利用者さんに認知行動療法を気軽に伝える良い感じの簡単な動画ってのもなかなかなかったんですよね。
そこで今回は、認知行動療法を簡単に知りたい人におすすめな認知行動療法マップ(CBTマップ)を紹介しておきます。



認知行動療法マップ(CBTマップ)ってなに…?

認知行動療法マップ(CBTマップ)は、「国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)」の一つである「認知行動療法センター」のサイトです。
このサイトは、初めて認知行動療法を学びたいって方や認知行動療法を簡単に知りたいって方に非常におすすめでして、

  • 認知行動療法や仕組み、テクニックについて分かりやすい文章で簡潔に説明がされている
  • 各項目について、4~7分程度の動画があり、これまた分かりやすい言葉で説明してくれている
  • 動画内では、例を挙げて、それに基づいて説明してくれている
  • 実践するためのワークシートがダウンロードできる
  • 更にそのワークシートの記入例も用意されダウンロードができる

っていう、まさに至れり尽くせりなんですな。
これが支援者が学ぶにしても、社内研修で使うにしても、利用者と一緒に見たり実践したりするにしても良い感じで、個人的に非常に気に入っております。惜しむべきは、このサイトがあんま周知されていないことでして、正直、認知度の低さが悲しい所です。福祉の各研修でガンガン紹介すれば良いのに…。
ということで、その一助になればというのも兼ねて、個人的に特に気にっているものをいくつかご紹介していきます。



認知行動療法ってなに…?って方が見ると良い「認知行動療法の基本モデル」

まず紹介しておきたいのが、「認知行動療法の基本モデル」ってページと動画です。
ここでは、認知行動療法ってなに…?ってのを5分ほどの動画で学べます。
かなり良い感じの動画なんで是非見てみてください↓↓↓




ちょっと残念なのがこの動画のスライドや資料がないんですよね~。
一応、この動画を見て行うワークシートはあるんですが、何故かPDFで用意されておらずパワポデータのみという…。しかも説明なしでこれを行うのはちょっと難しいかな~って感じなんですよ…。
なんでここでは動画を見て認知行動療法のイメージを付けるだけでOKかと思います。
因みにパワポがみたい…!って方は、「認知行動療法の基本モデル」ってページ下のダウンロードからダウンロードできます。
因みに因みにパワポがないけど、どんなんか見たい…!って方は、PDFをご用意しましたんで、下記からご覧いただいたり、ダウンロードしてくださいまし。




問題解決したい…!って方が見ると良い「問題解決技法シート」

次に紹介しておきたいのが、「問題解決技法シート」ってページと動画です。
ここでは、問題解決技法というテクニックをワークシートに沿って実践していく方法をご紹介しております。動画は7分弱なんで気軽に学べるかと。
かなり良い感じの動画なんで是非見てみてください↓↓↓




ざっくり書いておくと、問題解決技法は、問題解決の方法ではなく、問題解決するためのテクニック(技法)を学ぶ方法となっております。
日常生活で起きる様々な問題に対して柔軟に解決できるよう、手順や手段を学んでいきます。すると色々な問題を自分の力で解決していけるようになるんですよね。特に福祉から離れ一般就労したい方なんかにおすすめとなっております。
この動画は是非「問題解決技法シート」ページ下のダウンロードからワークシートをダウンロードして行っていただきたいですね。但し、こちらはエクセルデータなんでエクセルを持っていないと見れないんですよ。先程もそうでしたがこういったもので、PDFを用意していないのって珍しいですよね…。
ということで、下記にPDFデータを置いておきます。


一応、動画をみれば問題解決技法については分かるようになっておりますが、流れは問題を整理し、細分化、解決手段をたくさん挙げて、その中から解決手段を選んで実践、振り返るって感じです。



行動から変えていきたい…!って方が見ると良い「活動記録表」

更に紹介しておきたいのが、「活動記録表」ってページと動画です。
ここでは、活動記録表のワークシートを行い行動から認知面を変えていく方法をご紹介しております。動画は7分半なんでささっと確認できますな。
…ってことでこちらもおすすめ動画なんで是非ご覧ください↓↓↓




こちらも上記同様、ワークシートをご用意し行っていただくことをおすすめします。
ワークシートとワークシートの記入例は、「活動記録表」ページ下からダウンロードできますので、チェックしてみてください。但し、なぜかこちらもエクセルデータしかワークシートがご用意されておりません。
なんで、見れない方用にPDFを下記においておきます。


因みに「活動記録表」を使ったテクニックは行動活性化療法(BA)の実践テクニックになります。詳しくは「行動を変えることで精神面も変わる行動活性化療法(BA)入門」や「認知行動療法を一から学ぼう!その9「臨床行動分析と行動活性化療法」」をご覧ください。



気持ちを伝えるのが上手くなりたい…!って方が見ると良い「気持ちを上手に伝えるワークシート」

最後にご紹介しておきたいのが、「気持ちを上手に伝えるワークシート」ってページと動画です。
こちらは、自分の伝えたい気持ちの両極端を挙げ、その後真ん中な言い方を考えてみる感じです。動画は4分半という短さなんですぐ終わってしまいますが中身は濃いですよー。
この動画もおすすめなんで下記からご覧ください↓↓↓




こちらもワークシートをダウンロードして行うことが基本となります。
残念ながらワークシートの記入例はないんですが、ワークシートは「気持ちを上手に伝えるワークシート」ページ下からダウンロードできますので、そこからダウンロードしてみてください。なお、こちらもなぜかエクセルデータしかワークシートがないんで、見れない方はPDFを下記からダウンロードしてください。


この「気持ちを上手に伝えるワークシート」はSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)で行うことを、より細かくした感じだったり、ステップを一緒に作っていく感じとなっております。また個別にSSTの内容を行いたい場合にもおすすめです。



個人的考察

以上、CBTマップのご紹介でした。
今回ご紹介した内容を全部見て行っても1時間ほどで終わるんで、認知行動療法のイメージや概要を抑える、実践で使っていくのに手軽で非常によろしいかと思います(当事業所でも2024年4月4日に研修を行いましたが1時間以内に終了できました)
またここからもうちょい詳しく知りたくなった…!って方は、

【「認知行動療法の基礎と展開」シリーズ】

をご覧いただくとよろしいかと思います。
それと、ちゃんとした書籍レベルの資料が欲しい…!って方は、CBTマップの「認知行動療法の基盤マニュアル」が非常におすすめ。130ページほどありますが、お金を出して買っていいぐらいのボリュームでして、参考文献もなかなか良い感じなんですな。第1版の発行が2023年3月なんで、最新の認知行動療法の基本が全部詰まっている…!って感じです。見ておいて損はないかな~っと。
う~ん…。やっぱこう書いていくと、繰り返しになりますが、CBTマップが世に広まっていない、障がい福祉に広まっていないのがもったいないですね~。



参考文献