【加筆内容】運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その2「原因編」
前回、運動のダイエット効果は低いよ…!って話を書きました。
それでもやらないよりはやった方がカロリーは消費されているのに、なんで体重や体脂肪が変わらない、むしろ増えるって現象が起きるのかは謎なんですよね。
ということで今回はこの辺を調べた研究を見ていきます。
運動で痩せない!むしろ太った!の原因は心理面っぽい…!
2015年のNEW YORK THE CUTに載っているハーバード大学の研究によると、マラソンと体重の関係について調べてみたそうです。この研究は64名の方を対象に行ったもので、
- マラソンを始める前の体重
- マラソンを始めた後の体重
をチェックしたと言うものになります。
週4日のランニングを3月間続けた結果、
- 参加者のうち約11%の方は体重が減っていた…!
- 参加者のうち約11%の方は体重が増えていた…!
- 参加者のうち約78%の方は体重が変わらなかった…!
- 体重が増えたうちの86%は女性だった…!
とのこと。
因みに体重が増えたことと筋肉量は関係なかったそうなんで単純に体脂肪が増えたみたいです。
この結果を踏まえて研究者曰く、- 走れば体重が減るという考えは現実的ではない。むしろ、このようなことが起こる理由は生理学よりも心理学と関係があり、その多くは運動の目的の誤解に起因していそうだ
ということです。
どうやらこの研究者は原因を心理面と捉えているみたいですねー。
では心理面とは具体的に何なのか次から見ていきましょうかね。
運動したせいで食べる量が増えたっぽい…!
2015年のアリゾナ州立大学の研究によると、女性を対象に有酸素運動におけるダイエット効果について調べてみたそうです。
そもそも前提として、
- 2005年のカンザス大学の研究や2009年のクイーンズランド工科大学の研究、2012年のモントクレア州立大学の研究をみると、カロリー制限しない運動ダイエットってのは効果的なダイエットとは考えられない…!
- 2012年のモントクレア州立大学の研究をみると、運動による体重減少効果はかなり小さい…!
- 1990年のラヴァル大学の研究や2013年のリーズ大学の研究、2009年のルイジアナ州立大学ペニントン生物医学研究センターの研究、2003年のカンザス大学の研究、2009年のクイーンズランド工科大学の研究、2009年のクイーンズランド工科大学の研究、2012年のクイーンズランド工科大学の研究、2010年のグラスゴー大学の研究、2013年のコロラド大学の研究、2012年のコペンハーゲン大学の研究、2012年のモントクレア州立大学の研究などによって、運動による体重変化はかなり個人差がある…!
- 2003年のカンザス大学の研究や2005年のカンザス大学の研究、2010年のグラスゴー大学の研究では、かなりの割合の女性が、運動で体重や体脂肪が増加していた…!
ってことが先行研究で分かっておりました。
ではなぜ運動をするとカロリーは消費されているのに、体重や体脂肪が変わらない、増えるのかってことを今回チェックしてみることにしたそうな。
ではなぜ運動をするとカロリーは消費されているのに、体重や体脂肪が変わらない、増えるのかってことを今回チェックしてみることにしたそうな。
この研究は、19~45歳までの女性82人が参加したもので、後に1人脱落したんでサンプル数は81人となっております。そして参加者は全員健康なんですが肥満な方が多く、また定期的(週1~2日以上の運動)な有酸素運動、筋トレ、ダイエットなんかを行っていない方々だったみたい。
実験の流れは、まず参加者全員にラボに来てもらい、体重やBMI、体脂肪率(DXAを使用)、現在の心肺機能、健康や運動能力を測定したとのこと。続いて以下の状況で運動を行ってもらったらしい。
- 週3回、ラボ内のトレッドミルで走ってもらった。
- 最初に5分間のウォームアップを行い、その後20分走って、5分間のクールダウンという流れだった(合計30分)
- 全力の約80%のパワーで走ってもらった。
- 運動は全て研究者の監視付きで行われた。
- 運動は連続しないように日にちを空けて行われた。
- 期間は12週間だった。そのため全部で36回運動した。
- トレッドミルの速度は12週間を通じて一定だったが、約80%のパワーが維持できるよう傾斜を上げた。
併せて毎月、スタート時と同様の測定を繰り返したそうです。
運動についてかなり厳密にした感じが良いですね。しかしここでポイントなのが厳密にしたのが「運動のみ」ということ。つまり研究者たちは、食生活については何も指示しなかったんですよね。
その結果どうなったかと言いますと、
- 参加者全員の心肺機能は大幅にアップしていた…!
- しかし全体的にみると体重や体脂肪、ウエストに大きな減少はなかった…!
- 除脂肪体重(≒筋肉量)は大幅にアップしていた…!
って感じ。
やっぱり平均的にみるとダイエット効果がないですな。
そして冒頭で書いた通りやっぱり個人差がめちゃめちゃ高くて、
- 体重:-11.7kgも痩せた人もいれば+4.8kgも太った人もいた…!
- 体脂肪:-11.8kgも痩せた人もいれば+3.7kgも太った人もいた…!
- 筋肉量:-3.6kgも減った人もいれば+4.0kgも増えた人もいた…!
ってことでした。
わずか3ヶ月で12kg近く体重や体脂肪が落ちたり4kgも筋肉を付けた人がいた一方で3ヶ月で5kg太った人もいたってのはすごいですね…。
更にデータを細かく見ていくとある一つの法則があったそうな。それは実験終了後体重が減っていた人はスタートから一貫して減り続けていたということ。それに対して変わらない、増えた人はこのような傾向がなかったんだとか。
つまりこれが意味するところは、
- 食事やその他の活動で何かが起きている…!
ということ。
つまり運動したという安心感から、
- 無意識に食べる量が増えている…!
- 普段の運動量(NEAT)が減っている…!
ってことです。
確かに運動した安心感からついつい食べて動かなくなるってのは有り得そうですね。しかも運動の消費カロリーは少ないんで、結果、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が上回ってしまうと…。
個人的考察
但し研究者は実験終了後、参加者全員が健康的になったと話しております。運動のダイエット効果は芳しくありませんでしたが、健康効果は間違いなくあったみたいですね。
ということで今回はここまで。次回は他の心理的要因を探っていきましょう。
参考文献
https://www.thecut.com/2015/10/on-the-mysteries-of-marathon-weight-gain.html
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25353081/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19675105/