今日から更に対策について掘り下げていきます。



運動を運動として捉えず楽しみとして捉えよう…!

以前に当ブログでも登場し「そのひとクチがブタのもと」でも有名なコーネル大学のブライアン・ワンシンク博士の2014年の研究によると、運動に対する考え方の違いがその後のカロリー摂取にどう影響するのか調べてみたそうです。
そもそも運動を行っても必ずしも体重が減るわけじゃございません。その理由の一つが運動したご褒美としてついつい自分にお菓子など与えてしまうからです。また他にも、運動による消費カロリーを過大評価することも考えられます。このような弱点を対策するために運動に対する認識の違いが有効なのかこの度チェックしてみることにしたんだとか。
ということで今回研究者たちは、3つの実験を行ってみたそうです。



実験1:運動に対する認識の違いで運動後の食事量やデザートの選択が変わるのか調べてみた…!

まず1つ目の実験では、運動に対する認識の違いで運動後の食事量やデザートの選択が変わるのか調べてみたそうです。
この研究は大学の女性事務員56名(平均年齢44.52歳)が参加したもので、参加者のうちの約半数(25名、44.6%)はBMIが正常な方だったんだとか。んで、その56名を以下の2グループにランダムに振り分けたそうです。

  1. 運動を楽しみとして捉えるグループ:目的は何か楽しいことをすることであると言われ、30分間、大学のキャンパス内を音楽を聴きながら(楽しんで)歩いてもらう。
  2. 運動を運動として捉えるグループ:目的は運動(=ウォーキング)であると言われ、30分間、大学のキャンパス内を真剣に歩いてもらう。

次に参加者全員には個別に食べ放題のビュッフェを好きなだけ食べてもらったとのこと。そして、以下の2種類のデザートから好きな方を選んでもらったらしい。

  1. アップルソースのデザート(ダイエットに良いデザート)
  2. チョコレートプリン(ダイエットに良くないデザート)

どちらか1種類しか選べないものの、選んだ方は好きなだけ食べることができたそうです。
また、参加者は飲み物も以下の2種類から選べたそうで部屋の隅に取りに行ってもらったそうな。

  1. 水(ダイエットに良い飲み物)
  2. コーラ(ダイエットに良くない飲み物)

これもどちらかを選んでもらったそうです。
んで、参加者が部屋の隅に行き、飲み物を取っている間に、研究者はこっそりとビュッフェの皿の重さをチェックしたそうな。その後、普通に食べてもらったとのこと。
参加者の食事が終わり退室した後、食べ残しの重さを量り、実際に食べた量を計算したら実験終了です。
では結果がどうだったかと言いますと、

  • どちらのグループも歩いた距離の認識に違いはなかった…!
  • どちらのグループもウォーキングの主観的なカロリー消費量に違いはなかった…!
  • どちらのグループもビュッフェのメインディッシュの総カロリー量に違いはなかった…!
  • 運動を楽しみとして捉えるグループは、運動を運動として捉えるグループよりも、アップルソースのデザート(ダイエットに良いデザート=カロリーの少ない方のデザート)を選んでいた…!
  • 運動を楽しみとして捉えるグループは、運動を運動として捉えるグループよりも、水(ダイエットに良い飲み物=カロリーの少ない方の飲み物)を選んでいた…!

とのこと。
つまり両グループとも同じように運動し、同じようにカロリーを消費したと思っており、同じ量の食事を食べていたんだけど、デザートや飲み物といった間食に近い物だけは無意識に違ったみたいですね。ここで総カロリー摂取量が変わるのか…。
また他にも違いが出ておりまして、

  • 運動を運動として捉えるグループは、運動を楽しみとして捉えるグループよりも、ウォーキング後の疲労感が高かった…!
  • 運動を楽しみとして捉えるグループは、運動を運動として捉えるグループよりも、ウォーキング後、よりポジティブな気分になった…!

そうなんですよね。
因みにこのポジティブな気分はデザートや飲み物のチョイスに影響があったそうなんですが、疲労感に関しては関係なかったそうです。
これらを見ると、どうやら運動=楽しむことと捉え集中すると、運動への辛いイメージが軽減され、疲労感を感じ辛くなり、ポジティブな気分が高まるみたいですね。その結果としてデザートや飲み物といったご褒美(報酬)になるような食べ物を選ぶことが少なくなると。