前回NEAT(ニート)ってのをご紹介しました。
今回は合わせて覚えておきたいEPOC(イーポック)についてご紹介しておきます。



EPOC(イーポック)ってなに…?

EPOC(イーポック:Excess post-exercise oxygen consumption)の正式名称は運動後過剰酸素消費量と言いまして、運動後も代謝が上がり続ける現象のことを指しております。要は運動後、EPOC状態に入ると黙っていても脂肪が燃えるってことですね。運動好きにはアフターバーン効果なんて呼ばれたりもしています。
EPOCが運動後どの程度まで続くのかというと、2002年のオハイオ大学の研究によれば、筋トレ後、EPOCは38時間後まで続いたということ。1日半以上も脂肪が燃え続けるなんてすばらしいですね…!



EPOCの効果を引き出すにはどうすべきか…?

こうなると上手くEPOCの効果を引き出して、NEATとセットで使い、自然と痩せる夢の体へ近づきたいものです(笑)
ということで、EPOCの効果について調べてくれたのが2005年のブリガムヤング大学の研究。この研究では、筋トレと有酸素運動でEPOCの効果に違いが出るのか調べてくれております。
早速結論を書きますが、EPOCが高まった順番は、

  • 1位→筋トレのみ
  • 2位→有酸素運動の後に筋トレ
  • 3位→筋トレの後に有酸素運動
  • 4位→有酸素運動のみ

ということでした。
EPOCの観点から見ると、筋トレのみが最も効率的な高め方となるみたいですね~。

EPOCを中心にみれば筋トレのみが最強…!ってことになるんですが、HIITの脂肪燃焼効果はすさまじいので、個人的には、2位の有酸素運動の後に筋トレをおすすめします。要はHIIT→筋トレですね。もちろん、HIITではなくSITでもよろしいかと…。



HIITと普通の有酸素運動のEPOCを比べてみた…!

2013年のセントラルフロリダ大学の研究によると、HIITと普通の有酸素運動のEPOCを比べてみたそうです。
この研究は、普段から運動している男性6人(平均年齢23.3±1.4歳、平均体重81.8±9.9kg、平均身長180.8±6.3cm)を対象にしたもので、以下の2グループに振り分けて運動を行ってもらったと言うもの。

  1. HIITグループ:30秒間全力でエアロバイクを漕ぐ→4分間休憩を3回繰り返す(いわゆるSITですな)
  2. 普通の有酸素運動グループ:中程度の強度で30分間エアロバイクを漕ぐ。

併せて、カロリー消費量をチェックしつつ、EPOCに違いがあるか見てみたそう。
結果、

  • HIITグループのEPOCは平常時よりも7.5±1.3Lアップした…!
  • 普通の有酸素運動グループのEPOCは平常時よりも1.8±0.7Lアップした…!
  • HIITグループのカロリー消費量は平常時よりも156.9kJ(≒37.5kcal)アップした…!
  • 普通の有酸素運動グループのカロリー消費量は平常時よりも41.0kJ(≒9.8kcal)アップした…!

とのこと。
つまり、HIITは一般的な有酸素運動よりもEPOCの効果が4倍程高いってことですね。



HIITと普通の有酸素運動におけるEPOCの効果時間について調べてみた…!

2014年のマクマスター大学の研究によると、HIITと普通の有酸素運動におけるEPOCの効果時間について調べてみたそうです。
この研究は、HIITと普通の有酸素運動の2グループに分かれてもらい、それぞれの運動を行ってもらったと言うもの。併せて、24時間、EPOCの効果時間をチェックし続けたんだとか。
その結果分かったことは、

  • HIITは普通の有酸素運動よりもEPOCが低かった…。
  • 但し、24時間におけるHIITと普通の有酸素運動のEPOCは同じぐらいだった…!

って感じ。
つまり、EPOCの効果時間は24時間続くらしく、HIITも普通の有酸素運動も変わらないみたいです。同じ結果なら時間のかからない(タイパの良い)HIITがお得に見えますな。



個人的考察

ということで2つの研究結果を踏まえると、

  • HIITは一般的な有酸素運動よりもEPOCの効果が4倍程高く、24時間も続くぞ…!

って感じになりましょう。
これはHIITのモチベが上がりますね…!
運動を習慣化している皆さんは合わせてEPOCも意識してみてはいかがでしょうか…?



参考文献