液体からカロリーを摂取するな…!はダイエットに於いての基本。
ご存じ、ソフトドリンク(砂糖入り清涼飲料水・砂糖入りジュース・砂糖入り炭酸飲料・スポーツドリンク・エナジードリンク・砂糖入りフルーツジュース・砂糖入りコーヒーなど。無糖コーヒー・お茶は除く)と言われるこれらは悪魔の飲み物でして、ダイエットに於いてまず遠ざけるべき代物です。その理由を簡単に言うとカロリーが高いわりに栄養がないから。つまり、カロリーの質が超低いんですよね。また、ソフトドリンク開発で有名なハワード・モスコウィッツ博士ですら炭酸飲料を飲まないそうで、それぐらいソフトドリンクは避けるべき物だということです。

ということで、今回は、この悪魔の飲み物(ソフトドリンク)が如何に危険かを書いていきたいと思います。



ソフトドリンクを飲んでいる人程、肥満が多い…!

2001年のハーバード大学の研究によるとソフトドリンクを多く飲んでいる人程、肥満な人が多かったそうな。ソフトドリンクと肥満には相関関係がある…!ってことですね。確かに、甘ったるい飲み物や炭酸飲料などを飲みまくっている人は肥満なイメージですよね~。これは皆さんも想像していたのではないかと…。
改めて、研究により間違いなかったということで、まずは基本として書いておきました。

因みに上記で紹介した2001年のハーバード大学の研究2006年のハーバード大学の系統的レビューによると、カロリーが同じ場合は精製された糖質=肥満の原因ではなかったそうです。問題なのは糖質のとり方でソフトドリンクになると肥満レベルが一気にはね上がったということ。ソフトドリンクの糖質はヤバい…!って結論になりますね。因みに理由は単純にソフトドリンクだと飲み過ぎてしまうからとのこと。



1日1〜2本のソフトドリンクでアウト…!

では、肥満になるだけなのか、どれぐらい飲むとアウトなのかって話ですが、その当たりを知る上で非常に参考になるのが2015年のハーバード大学の研究になります。
この研究では過去に行われた大量のソフトドリンクの実験データを改めて精査したそうで、結論は1日1〜2本のソフトドリンクを飲むだけで、

  • 糖尿病の発症率が26%アップした…!
  • 心臓病による死亡率が35%アップした…!
  • 脳卒中のリスクが16%アップした…!
  • 肥満のリスクが1.6倍もアップした…!

ということ。怖っ。
気になる理由はソフトドリンクの甘味に使われる果糖ブドウ糖液糖が原因ということ。果糖のとり過ぎにより肝臓がダメージを受け、血中の中性脂肪が多くなったり、脂肪肝がついたりしてしまう。結果、心臓病や糖尿病が起きやすくなるみたい。また、先程書いた通り、ソフトドリンクを摂り過ぎる原因はカロリーだけが多く満足度が低い食品だから。まぁ、液体なんでがぶがぶ飲めてしまいますしね~。

これらを見ても液体からカロリーを摂取するな…!が大事だと分かるでしょう。



脳に炎症が起きて、衰えていく…。修復も困難に…。

2014年の南カリフォルニア大学の研究によるとマウスに砂糖や果糖ブドウ糖液糖が入った清涼飲料水等を飲ませまくったら、脳に炎症が起き、学習能力が完全に破壊されてしまったそうな。ひぇ~。
更にいったん脳が衰えてしまうと修復も困難になるそう…。最悪…。
一応、この研究は、動物実験+1日の摂取カロリーの約35%から40%を糖分にしているので、通常の生活ではまずあり得ないです。そのため、過度に気にする必要は全くないのですが、飲まないに越したことはないかと…。



テロメアが短くなる可能性が…!その害はタバコと同等レベル…!

2014年のカリフォルニア大学の研究によると、アメリカ人5300人を対象に普段どれだけソフトドリンクを飲んでいるかを調べたうえで、テロメア(遺伝子を守る保護キャップみたいなもの。長さで寿命が分かる可能性が示唆されている(長い方が良い)。また、細胞の寿命をコントロールしており、短くなると糖尿病や癌にかかりやすくなるとも言われている)の長さと比較したらしい。
結果は、

  • 普段、ソフトドリンクをたくさん飲んでいる人程、テロメアが短かった…!

そうで、理由はまだはっきりとは言えないものの、もしソフトドリンクが原因だったら、その害はタバコと同等レベルなんだとか。先程の件も合わせるに、君子危うきに近寄らずが望ましそう…。



フルーツとフルーツジュースを比べてみた…!

2013年のコペンハーゲン大学の研究によると、過去のコホート研究で果物を食べると、心血管疾患(CVD)のリスクが低下するのが分かっているけど、それじゃあ、フルーツジュースにしても効果は変わらないのか…?について調べてみたそうです。
実験は23人の健康なボランティアを集めて以下の3グループに分けたんだそうな。

  1. 1日に生のリンゴ550gを食べてもらう
  2. 1日に生のリンゴから果汁を搾り取った後のリンゴの搾りかす22gを食べてもらう
  3. 1日に生のリンゴから搾り取ったジュース500mlを飲んでもらう

期間は4週間でクロスオーバーデザインを用いて行ったとのこと。
結果、

  • 血中の悪玉コレステロールの濃度は、生のリンゴグループやリンゴの搾りかすグループは減少したが、リンゴジュースグループは6.9%も増加していた…!

そうです。
この結果に研究者曰く、リンゴには、ポリフェノールとペクチンが豊富に含まれている。しかし、これらの成分はジュースへ加工する過程で分離され、リンゴジュースにはペクチンやその他の成分が含まれていない。リンゴの食物繊維は健康な人間のコレステロールを低下させるのに必要であるが、リンゴジュースでは代役は務まらない可能性がある、とのことです。
せっかくのリンゴの大事な栄養素も加工する過程で取り除かれてしまうので、リンゴジュースでは代わりにならないってことですね。
ということは、一般的に市販されているフルーツジュースは果糖ブドウ糖液糖や保存料がたんまり入っているんで論外としても、100%のフルーツジュースもダメってことですね~。残念…!


因みにこの研究はフルーツジュースでしたが、ドライフルーツも理屈は同じみたいです。加工する過程で果糖ブドウ糖液糖や保存料が使われてしまうんで、生の時に比べて約8倍の糖質が含まれてしまうそうな(例:ブドウ1カップ=糖質約16g・レーズン1カップ=糖質約115g)
やっぱ、フルーツも未加工のまま食べるのが一番みたいですねー。



ソフトドリンク・コーヒー・紅茶とうつ病リスクの関係について調べてみた…!

2014年のアメリカ国立がん研究所の研究によると、ソフトドリンクやコーヒー、紅茶とうつ病リスクの関係について調べてみたそうです。
研究者たちによれば、


といった先行の横断研究で、ソフトドリンクみたいな飲料を定期的に飲む人は、うつ病や自殺願望(希死念慮)、自殺行為、その他の精神的ストレスが有意に高かったそうなんですよね。んがしかし、これらは横断研究の為、因果関係が分からないという問題があったとのこと。つまり、

  • ソフトドリンクを飲む→メンタルがやられる…!
  • メンタルがやられている→ソフトドリンクをたくさん飲んでしまう…!

のどっちが正しいのか分からん…!ってことですな。また双方向とも成り立つ可能性も視野に入れていたらしい。
ということで、今回ここんところをはっきりすべく、前向きコホート研究で調べてみたそうです。
まず研究者たちは、NIH-AARPっていう食事と健康を調査したデータセットをチェックしてみたそうな。
NIH-AARPは、アメリカの6つの州と2つの大都市に住む50~71歳の男女566,398人を対象にしたアンケート調査でして、1995年に開始したとのこと。
その後、2004~2006年の間にライフスタイルとうつ病を含む主要な慢性疾患の発症を確認する為、追加のアンケートを郵送。結果、318,257人(男性187,496人、女性130,761人)が回答してくれたみたい。追加のアンケートでは、医師よりうつ病と診断されたことがあるかを聞きつつ、あると答えた人はそれが

  1. 1985年以前
  2. 1985~1994年
  3. 1995~1999年
  4. 2000年~現在まで

のどの時期だったかも聞いてみたらしい。
ここでまず分かったことをまとめておきますと、

  • 追加アンケートでうつ病と診断されていた人は41,074人だった…!
  • 1995年以前にうつ病と診断されていた人は21,370人だった…!
  • 1995~1999年の間にうつ病と診断されていた人は8,219人だった…!
  • 2000年以降にうつ病と診断されていた人は11,485人だった…!

そうです。
ここで研究者たちは、因果関係の影響を最小限にするため、2000年以降に初めてうつ病と診断された人のデータのみ使ったそうな(これでうつ病→食事が変わるって影響が減る)。併せて、うつ病と診断されていない277,186人のうち、情報がない、矛盾している人などを除外、最終的なサンプル数は263,923人(うつ病患者さん11,311人、健康な方252,612人)になったとのことです。この参加者たちのソフトドリンクやコーヒー、紅茶の摂取量とうつ病の関係をチェックしたということでした。
では結果を見る前に、ここでいうソフトドリンクやコーヒー、紅茶がどんなものを指しているのか見ておきましょう。

  • ソフトドリンク:普通の炭酸飲料やゼロカロリー炭酸飲料、フルーツジュース(果汁入り清涼飲料水)、レモネード(砂糖入りの紅茶)、粉末を水に溶かして作るジュース
  • コーヒー:カフェインあり、なし
  • 紅茶:ホットティー、アイスティー

各飲み物については、全く飲まない~1日に6杯以上飲むまでの10段階でチェックしてもらったみたい。最後に飲酒頻度や年齢、性別、人種、学歴、結婚の有無、喫煙の有無、運動頻度、自己評価の健康状態などの変数を調整して、統計処理したそう。
ではまずうつ病発症者の共通点を見ていきます。

  • 女性
  • 現在タバコを吸っている
  • 低学歴
  • 離婚歴あり

続いて、うつ病の発症者に起きていた共通点です。

  • BMIが高くなっていた…!
  • 運動頻度が少なくなっていた…!
  • 全体的に不健康になっていた…!
  • 糖尿病を発症していることが多かった…!
  • 心血管疾患を発症していることが多かった…!
  • がんを発症していることが多かった…!

やはりメンタルが落ち込んじゃうとそれに伴って体がガタガタになってきちゃうみたいですね…。
次に、本研究のメインテーマであるソフトドリンクとコーヒー、紅茶とうつ病リスクの関係を見ていきましょう。

  • ソフトドリンクの摂取量が多い人ほど、うつ病リスクが高かった…!
  • 1日4杯以上ソフトドリンクを飲む人は、全く飲まない人と比較して、1.3倍もうつ病リスクが高かった…!
  • ソフトドリンクを1日1杯以上飲む場合、うつ病リスクが統計的に有意に増加していた…!
  • それに対して、1日4杯以上コーヒーを飲む人は、全く飲まない人と比較して、うつ病リスクが低下(0.91倍)と弱いながら関係があった…!
  • 紅茶はうつ病リスクと関係なかった…!

ソフトドリンク→メンタル悪化…!はあるということですな。また、コーヒーがうつ病予防になるのも面白い…。
また詳しく見てみると、ソフトドリンクの中のフルーツジュース(果汁入り清涼飲料水)とレモネード(砂糖入りの紅茶)はダイエット系がメンタルにダメージを与える…!って結果だったらしい。
なんでも1日4杯以上飲む人とそうでない人を比べてみると、

  • 普通のフルーツジュースはうつ病リスク1.08倍なのに対して、ダイエット系は1.51倍
  • 通常のレモネードはうつ病リスク0.94倍なのに対して、ダイエット系は1.25倍

だったそうな。
因みにこれほどはっきりとは結果がでなかったものの炭酸飲料でも、

  • 普通の炭酸飲料はうつ病リスク1.22倍なのに対して、ダイエット系炭酸飲料は1.31倍

とのこと。
まぁ、いずれにしてもソフトドリンクを避けた方が良いのは間違いありませんな。
それとカフェインの含有量でのチェックもしていたそうなんですが、

  • カフェインのあるなしに関わらず、コーヒーを良く飲む人は飲まない人よりもうつ病リスクがわずかに低かった…!
  • カフェインのあるなしに関わらず、ソフトドリンクを良く飲む人は飲まない人よりもうつ病リスクが高かった…!

ってことで、どうやらカフェインがうつ病リスクと関係ある訳ではないみたい。
それと甘味料についても気になる情報がありまして、

  • コーヒーや紅茶を全く飲まない人と無糖のコーヒーや紅茶を飲む人はうつ病リスクが低くなっていたのに対し、人工甘味料を入れるとうつ病リスクがアップしていた…!
  • 砂糖や蜂蜜はうつ病リスクと関係なかった…!

そうです。
ということで、色々細かい点はありましたが、ソフトドリンクはうつ病と関係ありそうなんで、飲まない方が良さそうな感じ。
それとコーヒーはやっぱ良いですな~。



ソフトドリンクを飲むと兎に角太る…!

2006年のハーバード公衆衛生大学院の研究によると、ソフトドリンクの摂取量と体重増加や肥満が関係あるのか系統的レビューを用いてまとめてみたそうです。
そもそもソフトドリンクってのは、砂糖入りの飲み物のことを言いまして、具体的には、

  • フルーツジュース
  • スポーツドリンク
  • レモネード
  • 砂糖入りの紅茶
  • 砂糖入り炭酸飲料

なんかを指します。
んで、これらの消費量なんですが2004年のノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究によると、1977~2001年の間に135%もアップしているそうなんですよね。また、2003年のノー​​スカロライナ大学チャペルヒル校の研究によると、1962~2000年の間に甘味料の1日の消費量が83kcalも増えていたそうなんですが、この増加のほぼ81%がソフトドリンクや粉末を水に溶かして作るジュースの消費量だったらしい。
ということで、確実に甘味料、特にソフトドリンクの摂取によるカロリー摂取量は増加しているんですが、じゃあソフトドリンクと体重増加や肥満は関係あるのか…?ってのを明らかにするため、先行研究をまとめたのが今回の研究です。
まず研究者たちは1966~2005年5月までに発表されたソフトドリンクと体重増加や肥満に関する論文をMEDLINEで検索してみたそうな。すると、264件の研究がヒットしたとのこと。続いてこの中から質の高い論文を精査したそうで、最終的には30件の研究が要件を満たしていたとのこと。
この30件ですが、


って感じだったらしい。観察研究メインですね。
ではまず横断研究の結果から見ていきましょう。

  • ソフトドリンクの摂取量と体重増加・肥満には正の相関関係があった…!

とのこと。やっぱ関係アリでしたか~。
ではもうちょい詳しく見てみましょう。まずは子どもや青少年です。
子どもや青少年を対象に各年齢・性別を振り分け、ソフトドリンクの摂取量が多いと標準体重よりも過体重になるのかチェックした研究があるんですが、

  • 年齢:ソフトドリンクの消費量が多い場合対ソフトドリンクの消費量が少ない場合
  • 2~5歳:3.1%対2.4%
  • 6~11歳:5.4%対4%
  • 12~19歳(男性):10.3%対7.6%
  • 12~19歳(女性):8.6%対7.9%

って感じで総じて高い傾向にあったみたい。
続いて成人を対象とした研究を見てみます。

  • 週に1杯以上の炭酸飲料を飲む人は、週に1杯未満の炭酸飲料を飲む人たちよりも過体重になる確率が明らかに高かった…!
  • 50歳以上の女性の場合、多い人は70%に対して少ない人は47%…!
  • 50歳以上の男性の場合、多い人は77%に対して少ない人は58%…!
  • 週に1杯以上の炭酸飲料を飲む人は、週に1杯未満の炭酸飲料を飲む人たちよりも肥満になる確率が明らかに高かった…!
  • 50歳以上の女性の場合、多い人は32%に対して少ない人は18%…!
  • 50歳未満の女性の場合、多い人は33%に対して少ない人は18%…!
  • 50歳以上の男性の場合、多い人は26%に対して少ない人は17%…!

やっぱり成人の場合も一緒ですね。それにしても差の開き方がすごい…。

続いて、縦断研究の方も見ておきます。
こちらも子どもや青少年、成人を対象にした研究があったのですが、

  • 子どもや青少年を対象とした研究のうちの4件で、ソフトドリンクの摂取量と過体重・肥満との間に有意な正の相関関係があった…!
  • 成人を対象とした研究でも、ソフトドリンクの摂取量が多くなると体重が大幅に増加する傾向にあった…!
  • 2004年のハーバード公衆衛生大学院の研究によると、Nurses' Health Study II(NHS II)を用いて女性の炭酸飲料の摂取量と体重増加を追跡調査してみたが、炭酸飲料を週1杯以下しか飲まない人が1日1杯以上飲むようになると、1991~1995年の5年間で体重が4.69kg、1995~1999年の5年間で体重が4.20kgも増えていた…!
  • 上記研究でBMIも追跡調査していたが、炭酸飲料を週1杯以下しか飲まない人が1日1杯以上飲むようになると、1991~1995年の5年間でBMIが1.72、1995~1999年の5年間でBMIが1.53も増えていた…!

とのこと。
横断研究同様、縦断研究でもソフトドリンクで体重増加・肥満になっていたって結果だったみたいですね。また、1日1杯以上のソフトドリンクを飲むと5年間で体重が4kg以上増える…!ってのは結構なインパクトですな。

最後に臨床試験や介入ですが、こちらはあっさり結論を書いておきますと、

  • ソフトドリンクの摂取量が、体重増加と肥満にプラスの関係性があるという仮説を裏付けていた…!

ということです。
やはり結果は同じということですね。



ソフトドリンクを1日1杯以上飲むと2型糖尿病リスクが26%、メタボリスクが20%もアップする…!

2010年のハーバード公衆衛生大学院の研究によると、ソフトドリンクの摂取量とメタボリックシンドローム&2型糖尿病リスクの関係について調べてみたそうです。
そもそもソフトドリンク(砂糖入り炭酸飲料やフルーツジュース、砂糖入りアイスティー、スポーツドリンク、ビタミンウォーターなど)の消費量は世界中で増加の一途をたどっているそうで、例えば2010年のノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究によると、1970年代後半から2006年にかけての一人当たりのソフトドリンクの摂取量は、1日64.4kcalから141.7kcalに増えていたとのこと。つまり、わずか30年弱で2倍以上もソフトドリンクが飲まれるようになっていたそうな。
んで、これだけ急速に飲まれるようになっている事や先行研究(上記の系統的レビュー)で太るぞ…!って結果が出ていたので、この度、メタボと2型糖尿病リスクについてメタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、1966年から2010年5月までに発表されているソフトドリンクとメタボ・2型糖尿病の前向きコホート研究をMEDLINEで検索してみたそうな。すると、メタボ研究が15件、2型糖尿病研究が136件ヒットしたらしい。続いてこの中から、基準を満たす質の高い研究をピックアップしていったそうで、最終的にはメタボ研究3件、2型糖尿病研究8件の合計11件が選ばれたみたい。この11件をメタ分析にかけてみたそうです。
因みにこれら11件の研究のざっとした情報は下記になります。

  • ほとんどの研究で、ソフトドリンクは飲まないor月1杯未満しか飲まないと、1日1杯or2杯以上飲むことを比べていた。
  • 参加者の大半はアメリカの白人又は黒人の男女で、それ以外だとフィンランド、シンガポール、中国の成人だった。
  • 追跡期間は4年から20年の範囲だった。
  • 各研究のサンプル数は3,000人以上から91,000人以上の範囲だった。
  • ソフトドリンクを含めた食事の摂取量評価はFFQというアンケートを使っていた。

それでは結果を見てみましょう。

  • 2型糖尿病研究の延べサンプル数は310,819人で、2型糖尿病の症例は15,043人だった。
  • ソフトドリンクを1日1杯or2杯以上飲む人たちは、ソフトドリンクを飲まないor月1杯未満しか飲まない人たちに比べて、2型糖尿病リスクが26%も高かった…!
  • メタボ研究の延べサンプル数は19,431人で、メタボの症例は5,803人だった。
  • ソフトドリンクを1日1杯or2杯以上飲む人たちは、ソフトドリンクを飲まないor月1杯未満しか飲まない人たちに比べて、メタボリスクが20%も高かった…!

やっぱりソフトドリンクの摂取量が増えると体重が増え、結果、メタボや2型糖尿病になりやすくなるみたいですね~。
まぁ、2009年にアメリカ心臓協会もソフトドリンクの摂取量を減らせ…!って言ってますし、1日1杯以上飲む人は、ダイエットのスタートとして、試してみてもよろしいのではないでしょうか…?



ソフトドリンクは太る…!遺伝的に太りやすい人はもっと太る…!その差は約2倍…!

2012年のハーバード公衆衛生大学院の研究によると、ソフトドリンクの飲み過ぎが遺伝的素因・肥満と関係しているのか調べてみたそうです。
そもそも先行研究で、肥満は爆発的に増えているし、ソフトドリンクの摂取量も増えているってことが分かっております。でもこれが遺伝と関係あるのかは不明だったんですよね。
そこで研究者は、Nurses' Health Study(NHS)とHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)女性ゲノム健康調査(WGHS)っていう3つの前向きコホート研究を用いてチェックしたみたい。因みにサンプル数はNHSの女性が6,934人、HPFSの男性が4,423人、WGHSの女性が21,740人って感じでなかなかの規模ではないでしょうか。
では結果の前にソフトドリンクの具体例をチェックしておきましょう。
3つの前向きコホート研究の食事アンケートによると、

  • ソフトドリンク:カフェイン入りコーラ、カフェインなしコーラ、コーラ以外の炭酸ジュース、ソフトドリンク(フルーツジュースやレモネードなど)

とのこと。まぁ、一般的なイメージで大丈夫ってことですね。
では結果です。

  • スタート時の調査では3つの研究全てで、ソフトドリンクの摂取量が多い人はBMIも高かった…!
  • ソフトドリンクの摂取量が多い人は少ない人よりも年齢が若い、アルコール摂取量が少ない、運動頻度が少ない、人工甘味料入りの飲料の摂取量が低く、総カロリー摂取量が多かった…!
  • 3つの研究全てで、太りやすい遺伝の人はBMIも高かった…!
  • NHSとHPFSでは、ソフトドリンクの摂取量が多い人は少ない人よりもBMIとの遺伝的関係性が強かった…!
  • この結果はライフスタイルや総摂取カロリーといった変数を調整しても変わらなかった…!
  • WGHSでも年齢や地域などの変数を調整しても結果は同じだった…!

つまり、ソフトドリンクの摂取量が多いとBMIは間違いなく高くなるし、ソフトドリンクの影響は遺伝で太りやすい人ほど、より大きく出てしまう…!ってことですね。
この結果について研究者曰く、

  • アメリカの女性と男性を対象にした2つの前向きコホート研究(NHSとHPFS)では、ソフトドリンクの摂取量が多いほどBMIが高く、肥満リスクが高まる遺伝もより顕著であることが判明した。これはWGHSという女性の大規模コホート研究でも同様だった。この3件のコホート研究全てにおいて、1日1杯以上ソフトドリンクを飲む人のBMIと肥満リスクに対する遺伝的影響を合わせた値は、1ヶ月に1杯未満しか飲まない人の約2倍だった。これらのデータは、ソフトドリンクの摂取量が多い人は、肥満に対する遺伝的影響をより受けやすい可能性があることを示している。言い換えれば、肥満に対する遺伝の要素がより強い人は、ソフトドリンクのBMIに対する悪影響をより受けやすいということだ

とのこと。
遺伝的に太りやすい人は、ソフトドリンクの太りやすさの影響をより受けやすく、その差が約2倍ってのはすごいですね。

ということで、ソフトドリンクはやっぱり太りやすいし、遺伝で太りやすい人は更に太るという嫌なお話でした。
この結果を踏まえるなら、ソフトドリンクは1ヶ月に1杯未満しか飲まない、というか飲まないという選択がよろしいでしょう。



個人的考察

いかがだったでしょうか…?
液体からカロリーを摂取するな…!(大事なので何度も書きます)というのも非常に納得できたのではないかと思います。
飲み物については基本、


のみがよろしいかと。例外としてホエイプロテインぐらいあればOKですかね。
それと最後に再度書いておきますが、果糖ブドウ糖液糖などの糖質を過度に恐れる必要はございません。ヤバいのは摂り過ぎです…!また、同じ糖質でもフルーツなどは食物繊維も多いので問題ないです。くれぐれも勘違いなさらぬようお願いします。



参考文献