【まとめ】腹が満たされることのないゾンビ状態にならないよう気を付けるべき「レプチン」入門
レプチンってなに…?
レプチンは1994年のハワードヒューズ医学研究所の研究により発見されたホルモンです。そして1996年のローウェット研究所の研究や2002年のテキサスA&M大学健康科学センターの研究によると、レプチンは主に脂肪細胞によって生成されるホルモンで、視床下部の弓状核など、エネルギーバランスの調節機能に深く関わっているんですな。
そのため、ここが緊急警報を発令すると、お米食べろ…!飯を食え…!的な感じで騒ぎまくるんですよ(笑)
もうちょい噛み砕くと、レプチンは脂肪細胞から分泌され、脳に満腹感を伝える、食欲をコントロールする役目を担っているって感じです。そして食欲を減らす効果が高い痩せるホルモン、俗に「食欲抑制ホルモン」とも呼ばれるんですな。また、記憶力がアップする、気分がアップする効果もあると言われており、ダイエットに限らず非常に大事なホルモンとなっております。
レプチン抵抗性
この大事なホルモンであるレプチンは摂取カロリーが減るとそれに比例して量が減るという性質があります。2008年のイェール大学の研究を参考に説明すると、
ということが起こってしまいます。
上記のように、レプチンの分泌量が減ったり、レプチンに反応しにくくなるなどレプチン(ホルモン)のバランスが崩れた状態・満腹信号が脳に記録されていない状態のことをレプチン抵抗性と呼びます。そして、レプチン抵抗性がアップすると、代謝が落ちて痩せなくなり、常に激しい空腹感に苦しみながら、やる気もなくなり、メンタルも悪化というようなことが起こるのです。おぉ、怖い…。
因みに、肥満な人でいくら食べても空腹感がなくならず、代謝も下がって脂肪が燃えないって場合がありますが、これもレプチン抵抗性がアップした状態となります。腹が満たされることのないゾンビ状態とでもいいますか…。う~ん。なりたくない…。
これらはダイエットでありがちな失敗なんで非常に注意してほしいです。
というのも、
- ダイエットしようと思う
- いきなりカロリー制限or糖質制限をする
- 毎食野菜だけ食べるなど極端な事をする
- レプチン抵抗性がアップ…!
- 代謝が落ちて痩せない…。
- だけど、空腹感だけ常にあるゾンビ状態に…!
- 更に、やる気もなくなりメンタルも悪化…!
- いずれ暴飲暴食でダイエット失敗…!
- 更に、適切にレプチン抵抗性を下げないとゾンビ状態などが継続で肥満に…!
- それがストレスで更なる暴飲暴食、ループ状態に…!
な~んてことに。もし、お心当たりのある方はこの当たりの仕組みを抑えておくとダイエットに失敗する確率が減るのでおすすめです。
レプチンについて改めてポイントをまとめてみる…!
2011年のWhole9の記事にはレプチンについてのポイントが端的にまとめられております。
まずレプチンの話の前にそもそも太る、つまり体に脂肪がつくことイコール悪い事ではないという話から始まります。体に備わった機能というのは元来必要だから備わったのであり、脂肪がつくのも重要な機能なんですよね。
まずレプチンの話の前にそもそも太る、つまり体に脂肪がつくことイコール悪い事ではないという話から始まります。体に備わった機能というのは元来必要だから備わったのであり、脂肪がつくのも重要な機能なんですよね。
ではなんで体に脂肪が付きやすいのかというと飢餓対策の為です。太古の昔は食料が手に入らなかったことは珍しくありませんでした。そのため、長時間の食糧不足でも乗り越えられるよう設計されたのが脂肪にするという貯蔵システムです。例えば風邪やインフルエンザに罹った時に何日か食事を取らなくてもへっちゃらなのはこの機能のおかげと言えるでしょう。しかし、現代はいつでもすぐに食べ物を手に入れることができます。このズレが肥満の原因となっております。
更に私たちの体は悲観主義だと言えます。今必要なエネルギー(カロリー)は十分あるのに、補充できなくなったらどうしようと常に心配しているので、補給できるときにしておこうとしてしまうのです。この機能は遺伝子レベルで刻み込まれているので無意識に行われていると言えます。だからついつい食べ過ぎて太ってしまうんですよね。
では脂肪の貯蔵管理を行い適正に保とうとする役目は誰が行っているのでしょうか…?
それがレプチンとなります。レプチンは1994年に発見されたホルモンです。つまり結構最近になって見つかったホルモンなんですよね。
このレプチンが具体的にどのようなことを行っているのか次に見ていきたいと思います。
脂肪の貯蔵管理
上記でも挙げたようにレプチンの代表的な役割として、保管された脂肪を管理し脳へのメッセンジャー・フィードバックを行っております。つまりレプチンは脂肪の貯蔵管理を行っているってことです。因みにレプチンは脂肪細胞から脂肪量に比例して血流に分泌されます。つまり脂肪量が多く分泌されればされるほど、レプチンも多く分泌されます。
満腹感を与える
レプチンは満腹感を与える機能があります。つまり満腹信号を出して食欲をコントロールしてくれるってことですね。食後、レプチンレベルが高まりますが、それが脳に登録されて十分食べたぞ…!だから食事を終了してOKだ…!と言って満腹感を知らせてくれるんですよ。つまり食欲促進ホルモンをブロックしてくれるということです。また合わせてグレリン(空腹ホルモン)もブロックしてくれたりします。
免疫と炎症の調節
レプチンはサイトカインと構造や機能が似ており、免疫と炎症の調節を行っています。そしてレプチンは炎症性サイトカインとみなすことができるのです。上記で挙げたように脂肪量が多いとレプチンも多く分泌されるためです。そしてより多くの脂肪を蓄えるのは、より多くの炎症性サイトカインが分泌されているとも言えます。
食欲のメインコントロール
レプチンは脳内の視床下部の弓状核に記録されて、食欲のメインコントロールを行っていきます。ここで重要なのがレプチンがしっかりとしたメッセンジャーになるためには視床下部に適切なニューロンを登録する必要があるということです。つまりセットポイントの登録ですね。ここで登録を誤ればセットポイントが狂い、食欲が暴走してしまいます。
レプチンもインスリン同様、抵抗性・感受性に気を付けないといけない
レプチンもインスリン同様、抵抗性・感受性に気を付けないといけないホルモンです。
まずレプチンはインスリンと同様に食後に分泌されます。つまりインスリンレベルが上昇すると、レプチンもたくさん分泌されレプチンレベルが上昇します。
そしてインスリンレベルの上昇しやすいものは、炭水化物(砂糖や穀物)や加工食品など、カロリー密度が高く、栄養価の低いものです。これらカロリーの質の低い食事はインスリン抵抗性を上げる(=インスリン感受性を下げる)作用があります。また慢性的にこれらの食事を続けることによって、常に正常なインスリン分泌がされなくなってしまうのです。
そしてレプチンはインスリン分泌を抑制する傾向があり、似た動きをします。暴飲暴食をすると体内炎症状態になり、それと同時にレプチンの分泌が増加し血中のレプチン濃度も上昇します。また慢性的にカロリーの質の低い食事を続けるとインスリン同様、慢性的なレプチンレベルの上昇(レプチン抵抗性を上げる・レプチン感受性を下げる)が起こります。
すると視床下部がレプチンシグナルに対して鈍感になりレプチン耐性がつく、つまりセットポイントが狂ってしまうのです。
レプチンとコルチゾールの関係
コルチゾールの上昇がダイエットの敵なのは事実ですが、実はその裏にレプチンの機能不全も関係しているそうです。というのも血中コルチゾールの上昇ってのは、より多くのレプチン分泌がされていることを意味しているんですよね。
レプチンが分泌され続けると、レプチン耐性が増加、インスリン分泌を制御できなくなり、インスリン抵抗性が悪化します。合わせてレプチン抵抗性も悪化し、セットポイントは崩れ、概日リズム(体内時計)を無視して(他のホルモン同様レプチンの分泌もリズムがある)、特に夜に常に食べるように指示されちゃいます(夜食べるようになるのは生き残るのに十分な脂肪がないと考えちゃうため)
そして食べても食べても満腹感の指令がでないので、腹が満たされることのないゾンビ状態に陥っていくのです。
以上からレプチンは代謝調節においてかなり中心的な役割を果たしているみたいです。
そのためぜひともダイエットをする際には、意識していきたいものとなっております。
レプチン抵抗性がアップしないための対策
ここではレプチン抵抗性がアップしないための対策をご紹介しておきます。
対策①チートデイ
チートデイの導入はレプチン抵抗性を下げつつ、分泌量を調整してくれるのでおすすめ。ダイエットの計画にあらかじめチートデイ(何もしない日・サボる日)を組み込むことにより、メンタル的にも良い感じ。ダイエットに於いてストレスも大敵ですからね~。
対策②炭水化物(糖質)を一時的に増やす
そもそも慢性的に炭水化物(糖質)を制限しているのが原因なんで、単純に一時的に炭水化物(糖質)を増やすのもおすすめ。チートデイと同様に適切なレプチンのレベルに戻せるんで、よろしいかと思います。但し、脳のセットポイントを上げる加工食品(グルテンやオメガ6脂肪酸、トランス脂肪酸が多く使われている物)はなるべく避けたいところ。糖質多めでレジスタントスターチも多く含まれる冷や飯やじゃがいも、サツマイモなんかがおすすめ。その他については、カロリーの質:炭水化物(糖質)編の記事や結局、炭水化物(糖質)は何を食べれば良いのか?の記事を見てもらうとよろしいかと思います。
対策③HIIT
対策④睡眠の質を上げる
ダイエットの於いて睡眠が大事なのは以前に書いた通り。実は2004年のスタンフォード大学の研究により睡眠の質が低い人はレプチンの分泌量が15%も減っていたって結果も出ているんですよね~。ということで、ダイエットをしたい方はしっかり寝ましょう。
視床下部性無月経とレプチン・カロリー摂取量の関係について調べてみた…!
1998年のマサチューセッツ総合病院の研究によると、視床下部性無月経とレプチン・カロリー摂取量の関係について調べてみたそうです。なんでも動物実験により、飢餓状態の際、レプチンを注入すると排卵機能が回復したそうな。そこからレプチンは生殖機能の重要なホルモンである可能性があるとなったみたい。そこで今回、視床下部性無月経の方を対象に調べてみることにしたんだとか。
この研究は、51名の女性に協力をお願いしたもので、以下の2グループに分かれてもらったそうな。
- 視床下部性無月経グループ:女性21名
- 対照グループ:年齢、体重、体脂肪をマッチングさせた視床下部性無月経のない女性30名
この方々のレプチン濃度とカロリー摂取量をチェックしたとのこと。
んでまず基本情報については、いずれもグループ間の差はなかったらしい。具体的には以下な感じ。
んで気になる結果は、以下のようになっておりました。
- 項目:視床下部性無月経グループ:対照グループ
- レプチン:7.1±3.0μg/L:10.6±4.9 μg/L
- 1日のカロリー摂取量:1,768±335kcal:2,215±571kcal
- 1日の脂肪(脂質)摂取量:333±144kcal:639±261kcal
- インスリン:5.6±1.2microU/mL:7.4±3.2microU/mL
つまりここから何が言えるのかと言いますと、視床下部性無月経グループは対照グループよりも、
- レプチンが低かった…!
- 1日のカロリー摂取量が低かった…!
- 1日の脂肪(脂質)摂取量が低かった…!
- インスリンが低かった…!
って感じ。
因みにレプチンレベルについては、インスリンをコントロールした後も有意な差が認められたとのこと。
更に研究者曰く、
- これらのデータは、視床下部性無月経の女性において、体脂肪とは無関係にレプチンが著しく減少することを初めて示したデータである
としています。
つまり女性のダイエットなどで生理問題が起きる流れとしては、その人の体型(体脂肪・BMI)に関係なく、
のような形ですね。
- 慢性的なカロリー制限や過度なカロリー制限を行うor慢性的な脂肪(脂質)の摂取量を制限したり過度な脂肪(脂質)の摂取量を制限する
- インスリンに関係なくレプチンが著しく減少する
- 視床下部性無月経に…!
のような形ですね。
なんでレプチンを維持するためにもカロリー摂取や脂肪摂取は大事みたいです。
じゃあ、ダイエットの際はどうすればいいの…?ってなりますが、ポイントは「慢性的」「過度」に気を付けていくことですね。具体的には緩急(メリハリ)をつけていくのがよろしいかと。具体的に言うと、チートデイの導入やプチ断食なんかですな。まぁ、プチ断食も方法によっては慎重に見ていく必要もありますが…。
これらを見ると女性がダイエットをする場合、気にすることが多すぎるんで、こういう面倒なところを考えないで済む地中海式ダイエットはやっぱオススメだな~と思った次第です。
個人的考察
慢性的なカロリー制限や糖質制限によりレプチン抵抗性がアップするのは上記で説明した通りなんですが、実は炭水化物(糖質)を食べ過ぎるとレプチンの分泌量が増え過ぎて、これまたレプチン抵抗性がアップしてしまうんですよね…。う~ん。難しい…。
過ぎたるは猶及ばざるが如しってことで、やっぱ過ぎるは良くないみたいなんでこの当たりは気を付けていきたいところ。個人的には完璧主義はやめて、たまに決めた日はサボろう…!ってのがやっぱ一番の対策なような気がしてならない今日この頃でした。
過ぎたるは猶及ばざるが如しってことで、やっぱ過ぎるは良くないみたいなんでこの当たりは気を付けていきたいところ。個人的には完璧主義はやめて、たまに決めた日はサボろう…!ってのがやっぱ一番の対策なような気がしてならない今日この頃でした。
