社内研修でマインドフルネスに触れる機会が多くなった昨今。ですが、ここでなかなか難しいのが、そもそもマインドフルネスってなに…?って話。特にマインドフルネス=瞑想って勘違いしていることが結構多かったりするんですよね(因みに私も過去、マインドフルネス=瞑想の勘違いをした経験があったり)
そこで今回は、マインドフルネスについて少しまとめておこうかと思います。



そもそもマインドフルネスってなに…?って話

熊野先生もおっしゃっておりましたがマインドフルネスとは、今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在のありようのことと定義しております。頭に浮かんだ思考や感情に気付き、流されず、ただその思考や感情を観察するって感じですかね。更にもう少しざっくり言うなら、過去の後悔に囚われず、未来の不安に囚われず、今この瞬間に目を向けるって感じがマインドフルネスです。


んで、冒頭で書いた通り、まず一番勘違いが起きやすいのがマインドフルネス=瞑想ではないということです。マインドフルネス状態を体験・訓練するのに瞑想が非常に使える…!ってだけなんで、別の方法でもマインドフルネス状態を体験・訓練する方法はいくつもあるんですよ。例えば、ろうそくの灯りをずっと見続けるとか、相手の話を集中して聞く(マインドフルリスニング)とか、目の前の食べ物と食べることだけに集中する(マインドフル・イーティング)とか、運動中に身体感覚・変化に意識を集中するとか…。これらの中で最もベーシック且つポピュラーな方法が瞑想ってなだけなんですよね。


因みに熊野先生がおっしゃっていた通りマインドフルネス状態=リラックス状態ではありません。これも良く勘違いしやすいところ。分かりやすいのは以前に挙げたマインドフルネスとリラクゼーションの下記画像ですが、少し補足説明を下記に書いておくと、

  • 目覚めの状態(マインドフルネス状態)
  • 心ここにあらずの状態(マインドワンダリング状態)
  • リラクゼーション状態(リラックス状態>ストレス状態)
  • ストレス状態(リラックス状態<ストレス状態)


となります。ここもごちゃごちゃになりやすいんで注意が必要ですね~。



マインドフルネスと瞑想の関係

マインドフルネスってのが重要だと気付いて更にそれを体験・訓練する方法についての起源を遡ると出てくるのが瞑想でございます。
今から遡ること約2600年前。ブッダさんがみつけ、提唱したテーラワーダ仏教(原始仏教)にマインドフルネスの考え方があるんですよ。更に訓練法(瞑想の方法)までマニュアル化されていたという徹底ぶり…!この頃からマインドフルネスの重要性に気付いていたなんてすごいですよね~。
それを後にジョン・カバットジン博士がプログラム化(詳しくは名著「マインドフルネスストレス低減法」を参照)したのが、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)です。そして、更にマインドフルネスストレス低減法(MBSR)と認知療法が合わさったのが新世代の認知行動療法(第三世代の認知行動療法・認知療法的な認知行動療法)であるマインドフルネス認知療法(MBCT)となります。



個人的考察

以上、マインドフルネスについてでした。
私同様、ごちゃごちゃになって勘違いしないように(笑)、皆さんはぜひとも基本として押さえておいてください。



参考文献